arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

アイ・アム・レジェンド

 一応ネタバレの部分があります。

 正月に子供を嫁はんの両親に預かってもらい、久しぶりに2人で映画館に。とりあえず椿三十郎アイ・アム・レジェンドの2つがありどうするか??たしかアイ・アム・レジェンドはCMでやっていて何々・・地球上に自分1人になった人間の物語・・・なるほど・・・ニューヨークにライオンが出現するぐらい時間が立ったのだな・・・とちょっと勘違いをしながら、CM以外事前情報は仕入れずにこれに決定。

 見て・・・嫁、凍りつく。自分、ハラハラドキドキ。なんで暗いところに入っていった犬にあんなに驚くんだ?暗がりでなんであんな風にライトを使うんだ?暗い場所を探索中にチラっと見える人影?人ったってこの映画は地球最後の人の話のはず・・・次の瞬間、集団のなにやら眠ったようにうごめく人達・・・

 このころから心臓がバクバク言い始める。ポップコーンを持つ手は危うく落としそうになり、口はカラカラ・・・横の嫁はピクリともしない。この映画見ていてふと思ったのだが、不二子F不二夫の短編にある「流血鬼」※1 の話に似ているなぁと感じた。


 主人公の台詞では感染した人(で生きている人)は人間的な行動がなくなりとあるが、物語はじめに仲間をさらわれた男には主人公を追って来たというより「俺の女をさらいやがって!!」と言ったような感じの方が強く、「あぁ、感情がなくなるって言うのはこちら側(主人公側)から見た感覚であって、もしかしたら、感染者にはちゃんとした感情があるんでは無いか」と。それで先ほど思ったように、何か似ているなと。


 物語中盤のサムを殺さなくてはならないシーンには泣けてきました。抱きながら感染症状が出てくるサム。それを冷静に判断して殺さなくてはならない主人公。それが顔の表情だけで殺してしまう事を表現しているので、感情がこちらにも伝わってきます。正直、泣けてきます。その後のマネキンとの成立しない会話も涙をそそります。


 ストーリーの最後はどうなるんだろう。こちら側(主人公側)に都合の良いハッピーエンドだろうか、もしかしたら主人公も感染者に取り込まれて「流血鬼」のような最後とか。久しぶりに面白い映画を見たと思いました。


 ・・・嫁からは「あんな気持ち悪いの次は勘弁ね!!」と釘を刺されました。し、知らなかったのに・・・

 
※1
「流血鬼」は世界中で流行した病気の患者の死(仮死状態)のあと、吸血鬼によく似た症状を持つ人間として生まれ変わり、そんな人がジワリジワリと地球上に広がっていき、最後は主人公までも流血鬼となって幸せになるというすごい面白い話です。今の自分たちが人類とすると、流血鬼たちは身体能力の優れた新人類で、人類と違うのはちょっと光に弱いのと、十字架などの特定のパターン認識が苦手という不二子F不二夫独特の世界観が広がるSFで、自分たち(人類)のものの考え方と流血鬼たちのものの考え方の違いが面白いなと読んだ当時思いました。