「分かりやすく技術」を読んだ
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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著者はちょっと前にNHKの番組で「週間子供ニュース」のお父さん役をやっていた方。番組は毎週自分も見ていて、当時から分かりやすく話す人だなぁ、何者なんだろう。でも子供向けだから当然か・・・と当然のように意識もせずに見ていたのを覚えています。
TVの創世記のころからの話で、どうすれば良いだろうと考えて培われた知識から分かりやすいとはどういうことかを書いています。関係ないけど、どの業界もそうだけど創世記にいた人ってのは大変だったけど自由に考えることができて幸せだと思う。
本の題名が「分かりやすく<伝える>技術」とあり、自分は文章を書くときにどうかなと思い購入しました。でもどちらかと言うと、突然話さなくてはならない場面、プレゼンテーションなどを行うとき、といった話をするということに焦点をあてています。
ポイント
以下に読んで特に残ったポイントをまとめます。
話の地図を渡す
始めにざっとした概要を言う。このことを「話の地図を渡す」という表現でしています。そのことにより、聞き手は全体が分かるので安心でき、話を聞くことができる。
予定所要時間を伝える
いまから話すことが、何分ぐらいかかるか、先の話の地図を渡すことと併用して、たとえば「AとBについて20分話します。最後に質問の時間を10分」と言ったぐあいに伝えることにより、相手に時間的な余裕(質問を考える時間なども含めて)を与える。
話の仕方は、逆三角形型と正方形方
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- 逆三角形型
- 話し手がn分といった時間制限があるときに有効な話の展開
- はじめに概要(前述の「話の地図」)
- 次にその突っ込んだ話
- 時間が余ったら、「ちなみに・・・」と言うような話。
- 話の内容が掘り下げていく杭のような逆三角形な図になる。
- 逆三角形型
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- 正方形型
- いわゆる、起承転結型の話し方。聴衆が初めから最後まで聞くと分かっている場合には有効
- 正方形型
ノイズをカットする
物事をよく理解している人は、その事象を一言で表すことができる(余計なノイズをカットして、必要なことだけを聞き手に伝えられる)
その他
あとがきが気持ちいいです。通常あとがきには書いた経緯や誰々に感謝するみたいなことが書かれていて、「読み手には関係ないだろ!コラ!関係者で盛り上がんなよ!」みたいな感じが時々ありますが、この本ではちょっと違うアプローチで感謝を述べています。最後の最後で気持ちよく読むことができました。言うなれば、草原に吹く風を感じるような終わり方。
こういった本を読んだわりには「分かりにくいブログだなぁ」と言うのはなしね。