arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

パフォーマンス・マネジメント その1

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学


 先日読んだパフォーマンス・マネジメントの本をもっと突っこみましょうと言うことで、読んだ部分のメモをここに残していく。今回は6章ぐらいまでの気になった部分。

パフォーマンスマネジメントとは、

 
 問題を行動分析学に基づいて解決することで、先行条件(A)と結果(C)を工夫して行動(B)をよくできるように支援すること。強化には2種類ある
 

  • 連続強化
    • いつも強化される行動
    • タバコとか酒とか・・・
  • 部分強化
    • たまにしか強化されない行動
    • こちらの方が強化されやすい。DVでも別れられない女性の心境?

 
 
 パフォーマンス・マネジメントの対象となるのは十中八九、オペラントである。また、対義語としてレスポンデントがある。
 

  • オペラント
    • 「生物が環境に働きかける」、「環境が生物に働きかける」ことによりおきる行動。
  • レスポンデント
    • 生物に遺伝的に備わっているような行動。
    • ABC分析は役に立たず、AB分析を使う。(但し、Bには生物に必ず生理的に備わっている行動が来るのに注意)
そもそもここで言うパフォーマンスって何?

 行動の成果、達成の意味。いわゆる性能のことではないのに注意。ABC分析のCにあたる部分か・・・
 

個人攻撃の罠って?

 できないことを、その個人の性格や能力、適正、ヤル気などのせいにすること。そんなののせいにする暇があったら、現実的な解決策を見つけろい!と。


 「やらなくてはならない事が分かっていても、できるとは限らない。」この指針により個人攻撃の罠を避け、じゃぁ、できるようにするにはその人にとっての好子は何か?と考えていくこと。

マネジメントは好子を使った強化、弱化を

 基本的には、対象者にとっての好子を使った強化、弱化によるマネジメントが良い。嫌子によるマネジメントは、短期的にはうまくいくように見えるが、長期的に見るとうまくいかないことが多い。


 たとえば子供を叱るという行為。叱る(嫌子)を使うと、問題の行動は、弱化される(無くなる)が、弱化されるのは、「そのときの結果の直前の行動すべて」であるため、そのときの直前の行動が派生の原理で、一緒に弱化される可能性がある。(叱った時の、場所、行動、その前にやっていた好ましいことなど、すべてが嫌子に変わる)


 しかし、派生の原理は好子にも働く。ひとつの好子を使ったマネジメントは派生の原理で他の行動も好子に変わる。そのためマネジメントは好子を使った強化が望ましい。

レパートリーの無い相手に対する、マネジメント(プリシジョン・ティーチング)

 ABC分析でB(行動)が身についていない相手に対しては、プリシジョン・ティーチングが有効。これは複雑な技能や知識と言うものは、より単純な技能や知識の組み合わせであるという考えから。


 そうすると、昔僕らが受けてきた「詰め込み方教育」ってのは一定の効果はあるのかなぁと感じる。もっとも僕らの教育はそのレパートリーが獲得した後の教育(応用)ってのが無かったのが原因なのかなと。


 プリシジョン・ティーチングには、「熟達訓練」が良い。サフメッズ(SAFMEDS*1)と言う、知識を行動レパートリーとして増やすための訓練がある。いわゆる単語カードみたいなもので、目標を決めて、なるべく早く言えるようにする。パフォーマンスマネジメントでは「知識」も「行動」と考えるため、知識を行動として言えるようにする訓練。

反発の原理とカウンターコントロール

 反発の原理とは、嫌子が出現し、急に行動が消去されると反発したり、相手を攻撃する行動が起こりやすくなること。


 誰かが自分の行動をコントロールしようとすると、その行動はその人にとって嫌子として働く。そのため反発の原理により、逆らう、反抗すると言うことが起きるが、これは相手が困ることが、自分にとっての好子となるため、反発したり、攻撃したりと言った結果となる。


 反発の原理が働かないようにするには、解決策のひとつとしては「相手に選択肢を与える」というのがある。

*1:Say All Fast Minute Every Day