arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「花まんま」(原作)を読んだ


 先日、ビッグコミック増刊号で「花まんま」が載っていて面白いなと思い、原作はどうなのかなと購入し読んでみた。これはいくつかの短編集の中のひとつで、本のタイトルにもなっている。ジャンルがホラーになっていることがあり、職場の同僚でホラー(小説)が好きって言う人に持っているかどうかと聞くとどうも持っていない模様。短編だったら立ち読みしたらって言われたけど本屋で涙ボロボロは勘弁してと購入した。さてと・・・



 内容は最後の再会のプロットが漫画とちょっと違っているけど、流れ自体は漫画版と殆ど同じ。(映画から原作を読むことがある自分はいつも思うけどこの表現は逆だね。)漫画の方は視覚に訴えるシーンが感動的で非常に良かったし、原作にあった印象的なセリフや言葉がちりばめられている。一方原作はどちらかと言うと、前世の記憶と兄貴として、加藤家としての葛藤がにじみ出るような感じが淡々とした表現の中に関西のボケとツッコミがほどよく振りかけられた、回想録という感じがする。なので漫画を見たときのような涙ボロボロ的なところはなく、「あぁ、昔はこうだったな」的な懐かしさの中にいられる。



 この主人公の年齢、多分自分とあまり変わらないんではないかなと思う。4歳違いのフミ子が小学1年生のときにゲームウォッチをしていて、その後ファミコンに夢中になったあたり、自分の記憶と重なる。フミ子が22歳になったとき主人公は26歳。自分が今の職種に変わったとき。だとすると95年前後。結婚する年齢は書かれていないので、22歳とするとこの本は2008年に発行されたけど、この話自体はもちょっと過去の時点の主人公の回想録を現在(2008年)に感じたこととして書かれたものなのかな。


 だとしても面白い。他の話も読んで感想を書きたいと思います。




花まんま (文春文庫)

花まんま (文春文庫)