arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「レジ待ちの行列、進むのが早いのはどちらか」を読んだ



 最近この手のタイトルは多いね。「餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか?」*1とか・・・またか・・・って感じのタイトルかと思ったけど本をパラパラとめくってみて面白そうだったので購入。



 物事の観察力を本書の絵を観察するというケーススタディを通じて、その中のステレオタイプな事象を心理学から補足しながら学習するというスタイル。本の構成は、左のページに観察すべき状況の絵があって、右側にその絵から何を推理すべきかの設問がある。たったこれだけ。絵をジーっと見て設問を考えて答える形式。たとえば、一番初めの問題なんかは、次のような状況を描いている絵がある

  • Aさん
    • 物静かそうに座っている
    • スーツもボタンをしめている
    • 手は机の上においてある
    • 机の上には、資料らしきものと、タバコの吸殻が数本、あと半分まで飲んだ水の入ったコップ
  • Bさん
    • 横柄そうなしぐさで座っている。椅子にふんぞり返っている。
    • スーツはボタンをしめていない
    • 右手はこぶしを握り締め、振り上げているような仕草
    • 机の上には、空の灰皿とまだ飲んでいない水の入ったコップ

これはある商談中の2人であるけど(2人が対峙しているかどうかなどは一切書いていない)この絵から、競争的で攻撃的な交渉者はどちらかを推理する。


 明らかにちょっと見た目にはBさんが攻撃的に見えるんだけど、自分はAさんが攻撃的ではないかと考えた。それは、単純に机の上に資料らしきものをおいているから。何があっても冷静に、資料という証拠で対応(攻撃)するような感じがしたから。商談に資料をキチンと持ってくるって事は下調べも十分にやっている証拠だし。でも、解答(の一例)は、答えとしてはAさん、しかし理由としては以下のような心理学の研究結果からの傾向があるからとのこと

・喫煙者は攻撃的な傾向がある
・攻撃的な人ほど、のどが渇きやすく飲み物を口にする

マサチューセッツ大学、パーカー・ウォーシング博士による

 こんな風に1問1問を解いていく事により、観察力の練習になり、観察力、推理力を磨いていくという趣向。この場合自分の考えは設問の答えとしては当たっているんだけど、観察すべきところを間違えているわけで、どう考えりゃいいんだろう的な気持ちはあがってくるけどね。



 本も薄いし、3分の1ぐらいは絵のページなので、スカスカだし、覚えるべきところは太字になっているので読みやすいと思います。設問は37個ほどなので、たった37個の心理学からの傾向を覚えればいいだけと思うと、ハウツー本にしては楽チンな本だと思います。逆に言うと、本の厚さの割には37もの心理学傾向を覚えることができるということです。



 本書は西洋の研究者の研究結果を引き合いに出すことが多いので、アジア人にはその傾向は当てはまるのかな?と素人的には感じてしまうけど、昔から「飼い主はペットに似る」とか言われるものとか、みんな知っているものもあるので、心理学どーのと言わずに気軽に読める本ですね。これを実践に生かせればいいな。


 そのうち突っ込んで書く。

*1:その続編とか、なぜXXはYYなのか?とか言ったタイトル