arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本」奥田健次著を読んだ。アメとアメなしで対処せよ

叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本

叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本

 先日読んだ本「メリットの法則」を読んで著者は教育関係、特に問題行動がある児童や重度の行動障害を持つ子供の行動改善が専門で、子育て関連の本も書いていると知り購入、読んでみた。

アメとアメなし

 前著でもだが著者が言っている言葉に「アメとアメなし」の言葉がある。有名な「アメとムチ」から取った言葉なんだろうけど、これが行動分析学でいう「好子出現の強化」と「好子消失の弱化」なのかな。本書は行動分析学のいくつかの法則のうち、この「好子消失の弱化」の法則を徹底的に書いている。

  • 外発的動機を作るためにはアメをどんどん使ってもいい(好子出現の強化)
  • ただしアメを出すタイミングは必要だよ。
  • 外発的動機から内発的動機を引き出せばあとは本人が自発でやるようになる。
  • でもなにかまずいことをしたら罰として叱るなど「嫌なものを得る」ではなくアメがもらえない「良いことがなくなる(好子消失の弱化)」という対応をしましょう。

という考え方です。

僕は「自分からやる気」というのは習慣の話だと思っている。著者のいう外発的動機という歯車をアメでガンガン回し、その歯車に接触しているより大きな歯車(内発的動機)が回るようになれば、あとは勝手に外発的動機がなくとも大きな歯車は慣性で回り続ける(習慣)と感じている。一つ一つの好ましい習慣を作って行けば、初めはぎこちない行動も習慣化すればスムーズに無意識に落とすことができる。そうなれば次意識をほかの事に向けることができるようになるので内発的動機がでてくる。そんなイメージ。


 この本を読んだ後、薄い本でもいいので「行動分析学」系の紹介本、(紹介サイトでもいいです)を読むと「あぁ、なるほど」とこの先生がなぜこのような言い方をするのかが分かります。逆だとなおいいです。本全体を通してこの先生が言っている「こんな冷たい対応、そしてこのなんてロボット的な扱いを子供にするの!」って感じの文章の意味がよくわかります。中には今自分で気が付いて心がけていたこともあったり、また「そうすればいいのか」と思ったこともあり、僕自身はとてもよく心に入ってきた本でした。


カミさんと一緒に

 この本を購入した目的の一つに「カミさんにもうちょっと楽に子供と対応してほしい」ってこともあり、購入したのでした。自分自身は行動分析学からみた子育て、カミさんには奥田先生という子育てブラックジャックという権威からのご意見を読んでもらって参考にしてもらう。(全面的に子育てにかかわれない男が言う言葉なんて全然重みがないからね)読んでカミさんはリップサービスか「参考になった」とも言ってくれ、よかったと思う。すべてがすべてこの本の通りにはできないだろうけど少しづつ参考にしようよ。そう思う。


 ただ、本書ではさらっと書いていたのだが、好子消失の場合は「バースト」が起きる。今まで見ているとカミさんも含め、世のお母さん方はこのバーストに耐えられないんだと思う。そして主導権を子供に渡してしまう。確かにウチの子もバーストがすごい。それはそれは「おま!子供か!」って思うぐらい・・・それは僕がカミさんをどう支えてあげたらいいのかって話か・・・



メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)