arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「トヨタのリーダー 現場を動かしたその言葉 (PHPビジネス新書)」を読んだ

 本を買うときはだいたい本屋で4〜5冊一気に買うんだけど、その中で店内をウロラウロラしているときに気になったので買った。買った本はカバーかけてもらっているのでこれ読むかーー!って手に取るまでどの本か分からない。正直こんなの買ったんだっけーーって思ってしまった。


 本の構成はページ右手にエッセンスを表現するようなメッセージを大きく書いて、左ページにその説明があります。メッセージごとのカテゴライズして8章までは章立てはされていますが基本ずっとその調子です。2〜3時間もあれば読める内容ですし、朝礼とかで使えるような言葉がたくさんあります。


 本の内容が基本、「現場」を中心に書いているので、色々「そうだよね」とか「うんうん、なんかわかるわ」みたいに自分みたいな平社員でもなんか分かりやすく読みました。それだけに正直もうちょっと詳しい内容があればもっと面白く読めたんじゃないかと思いました。


 本を読んだ感想、所感としては、本書の中でも「トヨタは学習する組織」という表現で出てきますが、学習というよりは「絶えず変わることを恐れない組織」と言うような感じを受けました。「行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず、、、」みたいな。まぁそれを僕らはPDCAという言葉で表現するんでしょうけど。なんか先の言葉のほうが味があっていいね。学習する組織。


 トヨタ式という言葉で表されていますが、組織の課題を日々の小さな改善を通して、自分の課題に昇華させることなんだろうなと。トヨタ大野耐一氏(おおのたいいち)の言葉もあれば、トヨタ式を取り入れた企業さんの話もあります。正直、著者のトヨタへの気持ち、愛情が見て取れる一冊です。ほんとこの人トヨタが好きなんだろうなと。トヨタマンはトヨタファンになると。(おやじギャグ)

以下、気になったフレーズなど

最大の褒章は、お金でなく「聞く」こと(p114)

 これはトヨタ式を取り入れている企業さんの話。毎月1000件を超える改善案を社員から出されているが、その褒章というのは自分みたいな社員としても気になりますね。(ゲスいなと思われますが)ところがその褒章と言うのも金額では300円ぐらい。


 ではなぜみんなそんなに改善案を出すのかと言うと、「改善提案を聞いてあげること」だそうです。なんかマンガ「カバチタレ」で安全行動で問題のある社員がいてその人の処遇について主人公が「安全責任者」にすることで逆にその問題社員を適正な社員にしたというエピソードを思い出しますね。

「責任追及」より「原因追究」を(p168)

 以下引用です。
 

大切なのはミスをした人を責めることではなく、「ミスをしたくてもできないほどの改善」をすることだ。

「決められたことを守る」を「決めたことを守る」へ(p172)

 これが先に書いたように組織の課題を日々の小さな改善を通して、自分の課題に昇華させることなんだろうなと感じた所です。本書を通して書かれるのは「現場」「現場」で現場が主人公です。その現場の人が自分たちで小さい事ながらも考え、決めて実行していく。会社の「仕事」から自分の「課題」に昇華していく過程が大事なんだろうなと。

「がんばる」のではなく、みんなが「がんばらなくてもいい」ようにくふうせよ(p194)

 これ、僕の仕事であるIT業界の話に通じるよねと。今まで人が頑張っていたものを頑張んなくてもいいようにという仕組みを提供するんだと。今まで頑張ってやっていた時間を別の活動に費やせるように。

当たり前のことを当たり前に(p206)

 この言葉はどこでも聞きますね。アルファベットで3文字でも「ABC」と言うのがありますね。

 ・A:あたりまえの事を
 ・B:馬鹿にならずに
 ・C:ちゃんとやる

 これは東北デベロッパーズの勉強会、たしかシーサー勉強会だったと思うけどパネルディスカッションでどなたかが言っていた言葉だったような。

追記:以下のURLでした。吉澤さんという方が言っていましたね。

昨日@ITの講演会があり、その中で「コスト削減と品質向上」について、@ITの人がコストと品質は相反するものなのでどうすればという質問があったが、「コスト削減するには品質向上」という話があった。これは品質のABCをやれば最終的にコスト削減になるということ。

http://d.hatena.ne.jp/arcanum_jp/20090725/1248536347