arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか (朝日新書)

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 いつも通り本屋で迷いながら買った一冊。この方って精神科医なんだよねーー。だったら人の心も分かるしSNSなんてどっぷりハマることなんてないんだろうなぁーーじゃぁ何が気持ち悪いのかなと思い購入。自分にとって普通(だと思っている)ものも人によりどういった感情があるんだろうかと。


 IT業界で普通にPC使ってスマフォ使ってネットやったりTwitterやったりFBでいいねしたりしてますが何が気持ち悪いんだろう。最近、と言うより震災以降「つながり」だとか「絆」といった言葉をよく目にするようになりましたけど、まぁSNSって言うとやっぱ「つながり」なんでしょうね。でも著者はSNSでの発信と言うのは「こう思う」「私にとって・・こうなんです」と言った発信はもともと一方通行であり、つなげるツールどころか一方的な発信を双方的なコミュニケーションであると勘違いさせるツールではないかと。


 本では「ネトウヨ」「バイトテロ」「SNS疲れ」、「サイバーカスケード現象(炎上?)」などの事例を挙げ、それらがなぜ起きるのかと言った分析を紹介しています。本全体はタイトル通り、SNSに対しては否定的な本です。ただし、この本ではSNSに対する著者の気持ち悪さ、何が気持ち悪いかについては明確には書いていません。察しろよと。多分著者はあくまで中立な立場を取りたかったのでしょうか。自分はA=B的な明確な答えを求めてしまうのかこの本を読んで、各事象分析があり、それが何が(著者にとって)気持ち悪いのか気づくことはできなかったです。


 著者の言う生まれてからずっと携帯があった世代には普通の出来事も、自分も含め、かつては携帯などなかった世代にとっては異質なものに見えるのではないのかなと。本文のなかでp199に、「電話してくるのは困った人」とあり、なぜ若者が電話で連絡を取らないのか?と言ったことを週刊ポストの記事から挙げています。


 我々からみれば面白いことに、彼らは電話は相手の時間を束縛するという点において「電話をするのが迷惑では?」という親切心から電話での連絡を避けているといいます。まぁ代わりになるのはメールとかLINEね。なんともまぁ、世代間で電話一つとってもすれ違いがあるもんだと感じました。SNSなんて老若男女とわずいるわけで、そりゃまぁ誠意の定義が違えば気持ちわるいだろうなと。

 この話を読んで思い出したのが先日話題になったこの記事

管理職が気にするマナー違反、「渡した名刺をすぐしまう」が最多に

管理職が気になるマナー違反とは?

「オフィスでのマナー」では、「渡した名刺をすぐにしまわれた」ことを気にする人が38.3%で最多。「名刺を渡したら、見ずにそのまましまった」(44歳/男性)の他にも、「名刺を片手で受け取られた」(52歳/男性)、「名刺を机の上に置きっぱなしにする」(42歳/女性)などを気にする意見が寄せられている。

管理職が気にするマナー違反、「渡した名刺をすぐしまう」が最多に | マイナビニュース

 なぜ思い出したのかと言うと、これ確かfacebookでシェアされてきたのを読んで、それのコメントも読んでいたのですが、渡された名刺をだらだら置いてるのも名前を覚えられないという事で逆に失礼とか習ったと言ったコメントがあったように、人により、会社により別のマナーまであるんですよね。まぁだいたいはアンケートを受けた人の「自尊心」が崩されるのが嫌とか、いや、それコミュニケーション不足では?みたいな答えと感じましたが。


 自分らの世代にとっては「電話ってまぁこっちの都合も考えず鳴るよねーー」なんて昔思ったこともありますが、基本、緊急の連絡が必要であれば電話や訪問など(自分の手間を見せるという意味で自分の感情や肉声を相手に分かるようなもの)が誠意ある行動なのではと考えてしまいがちだと思います。逆に若者が多い所にそんな対応をしたらうざい等の反発を食らうのではないでしょうか。何が常識になるかなんて絶対的な基準なんてないんです。


 そんな風に携帯一つ、名刺一つ、最近ではゲームセンターへのイメージも世代間で異なるようです。そんな風に世代間で違いがあるように、もしかすると著者の思っている気持ち悪さってのはこれからの当たり前になるか、はたまた著者が言うように揺り返しが起こってSNSは廃れるのか、そのための一歩前の通過儀礼なのかもしれませんね。