arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「江戸の家計簿 (宝島社新書)」を読んだ。

江戸の家計簿 (宝島社新書)

江戸の家計簿 (宝島社新書)

軽く読めそうだなぁと思い購入。特に意識はしていなかったけど、著者は映画「殿、利息でござる」の原作となった「無私の日本人」という本を書かれた方らしい。

内容は誰もが知るような江戸文化の紹介と、それらにかかわる金額などを現在の円に換算して紹介するもの。著書の初めの方は、江戸人口の大半を占めた武士らのお給金。どれぐらいだったか?から始まる。

ほえーーー凄いもらっているんだなぁと感じる。しかしそのもらっているなと言う現在の円に換算した感覚で読むともらった分から抜けていくお金、食費などのお金(これが結構バカ高いと感じる)など必要経費を抜くとそれほどもらっていたわけでもないのかなとなります。逆にもらっていた。得ていたで言えば商人でしょう。著書でも有名な白木屋創業者の大村彦太郎、紀伊国屋門左衛門、三井高利などの逸話とともに紹介されます。

もちろん庶民の生活も紹介されます。自分はITサービス業ですがそんなのは当然無く(あたりまえ)そのころの一般的な職業、大工であったり職人であったり、ぼてふりであったりと言ったような職業の給料が紹介されます。結構もらっていたんだなって感覚がありますが・・・やはり大半は生活に消えていったのでしょう。

でも、そのほかの物の値段を見てるとなんとも食費が高い。これじゃもらった金額は大半が食費に消えていくんじゃないかなと感じました。この本で知ったのですが、初ガツオなんかは女房を質に入れてでも買え!と詠まれたって聞いていましたが、その初ガツオ、おいくらですか?15万円以上します。

ええ?( ゚Д゚)

時期ものだから高いてのは分かるけど、こりゃホントに質にでも入れなきゃ買えない代物だよね・・ほかにも鯖一尾5000円弱とかもう高級食材ですね。鶏なんか6300円だし卵なんて1個300円以上します。その他、いろんな値段を知る事ができました。

まぁ、知ったからと言って何になるわけじゃございませんが、通勤時の暇つぶしに読んで、たくさんの謎知識いただきました。ごちそうさん

あと、謎知識と言えば、本書の最後は歴史学者の北原進氏のインタビューがありそこで紹介された外国人の逸話が、イザベラ バードの日本奥地紀行で書いていた日本の風景じゃないかと思いました。

P180

日本に来た外国人が記したものに、こんな話があります。ある旅人が、履き潰した草鞋(わらじ)を新しい草鞋に履き替え、履き潰したほうは田んぼの脇に積んで、拝んでから立ち去った。お世話になった草履を拝んでから立ち去る。それは外国人にとって、非常に珍しかったのでしょう。田んぼの脇に置かれた草履は、農民によって、田んぼに敷き込まれ、肥料になるわけですね。