arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)」を読んだ

経済とか分かりません。教えてください偉いひと。そんな僕はそのうち淘汰されてしまう人種なのかもしれません。日本で人口減少と高齢化が起きている。これは自分でもわかります。でもその影響ってなんだろう。人口が少なくなるのだから経済は衰退するのでは?そんなイメージしかありません。


「日本の衰退は必然?経済学の答えはNOです」本の帯に書いてあって、え?どういう事なんだろうと思い、購入して読んでみました。この本では経済成長と人口はほとんど関係がないと言います。経済成長を決めるのは、人口動向ではなく、企業によるイノベーションである」というものです。以下、本当に経済音痴の素人な阿呆な私の読んだ率直な感想です。

イノベーションも2つあり、一つはプロセスイノベーションとプロダクトイノベーション、著者はこのうち後者のプロダクトイノベーションにより経済成長は起こる。それまでの人口に比例するような生産性をイノベーションにより発明されたものが凌駕すると言います。

イノベーションには、他社に製品で差別化する「プロダクト・イノベーション」と、開発・製造・物流などで他社が真似できない革新的なプロセスを実現する「プロセス・イノベーション」の2つがある。

https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11980.html

なので、今、人口が少なくたった場合の人口減少ペシミズム(悲観論)をいかに克服し、イノベーションを起こしていくかと言う事でしょう。なるほど、あんまり悲観する必要はないんだなと。ただ、ニュースを見ていてもイライラしますが政治的な理由で遅々として進まない財政や社会保障の課題や経済発展がイノベーションさえ起きれば解消すると言う風に思ってしまうのは危険だなと思いました。

以前読んだ、竹中平蔵氏の「第4次産業革命!日本経済をこう変える」でも、書いていましたがアメリカがどうしてイノベーティブな製品を出すことができるか、と言った所でシリコンバレーなど投資する環境が出来ている(そういう環境、制度を作った)と言うものがあります。

先の本の中ではそれを日本で実現するために第一歩として「ゼロベース特区」が必要だと言っていましたが、どこぞの党の特区廃止案提出など、逆の方向に向かったりしています。また果たして今現在、日本国内にイノベーションを起こす環境はあるのでしょうか?それはいつできるのでしょうか?作るには何が必要なのでしょうか?

そういった状況にある中で、イノベーションさえ起こせるのかと言う不安があります。また運よくイノベーションが起きたとしても、それが日本の経済衰退を解決するとは到底素人の自分には考えられないわけです。計画して出来るイノベーションがあるのならとっくの昔に出来ていたはずですし。著者のいうイノベーションさえ起きればと言う期待はあんまりできないのかなと感じました。

そういった事で、著者のいう、人口減になったとしてもそんなに悲観する必要はないという論はなるほどと思った反面、え?ホントなの?って感じる所も多かったです。