arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

会社が個人に期待する勉強について

 社内教育とか、社内勉強会とか色々、会社(社長、上司)なんかは期待するようだけど、雑感。(そういった会社の批判じゃないことに注意)読み返してみて自分ながら偉そうなこと書いてしまったなと思ったけど。


トップダウン形式の勉強会ってなんなんだろうね?


 よく社内で「xxを覚えるためyyを勉強しろ!」というのが聞かれる。それで社内教育なんてものが開催されるんだけど、でもその社内教育って実際問題、会社が思っているようには成果は上がらないと感じる。開催した後やり遂げた!って感じはして意義があったなってなるんだけど、実際には個人にとってはあまりメリットは無いんだよね。「その人のためになるから!」たしかにそうだけど、そう言われて勉強する人を私は見たことがない。行動分析学ABC分析にあるようにその人が勉強なり、なんなりをするきっかけって言うのは「近い将来」「自分に返ってくる」ものがあるから。悲しいかな今まで見てきた人はそう。勉強を強制すれば強制するほど嫌子のマネジメントが働き、派生の原理で勉強が嫌子化する。結果して言われた事をやればおしまいという意識が強くなる。



 また、勉強をする人と、それを命令する人ではゴールが違っているので意識が異なるってのも問題。主催する側は勉強の成果を進捗でしか測れない。自然にゴールは「進捗」となる。でも勉強をする側は、素材をどれだけ覚えられるか、またはそれを使ってどれだけ深く追求できるかということになってくる。そうすると進捗以外のものに対しても興味が出てくる。つまりゴールは「進捗ではない」。この乖離が両者に決定的な意識の違いを生むと思うし、実際見てきた。(内容はどーでもいいけど、進捗が100%終了したから大成功!とか)勉強会ってのは関係者全員でゴールを共有できてこそだと思うんだけど。



 上で書いたのはトップダウン形式の勉強会とか。こういったのって命令する本人は企画するだけなんで実際に実行する個人の痛みはわからない。「君のため」を振りかざせば振りかざすほど嫌子のマネージメントになっていく。部下のことをよく考えてのことだとは思うんだけどね。こういったときインセンティブとしてよく使われるのは「資格取得による報奨金」これのいいところは資格を取れば「遠い将来」だけど「自分に返ってくる」と、不確実性はあるけど個人のメリットもあり、会社にとってはその資格保有者の数ってのはある程度の指標にもなるのである程度Win-Winな関係。でも、SOAを覚えろとかXXXをyyyせよ!とかいう今から流行すると思われるとか、流行しだした資格も無いような技術をやれって時にはどうすればいいんだろうか。今の技術を勉強しろ!というシチュエーションにさえうまく対応できないのに、未来の不確実な事柄に対し勉強せよ!っていうのは言うほうもやるほうも疲れるだけ。



 一番は同好会や、好きモンが集まって**仕事とは関係なく**ワイワイと勉強会を開くもの。最近の世間で開かれる勉強会はそういうもんでしょう。でもそういったものを期待するのもいいけど、そういう心境になる社員ってのは会社の中の何パーセントぐらいの社員なんでしょうか?そういった人たちは誰も言わなくとも勉強しているし、勉強とすら思っていないんじゃないかな?じゃ、他の人はどないすればいいの?って考えてしまってたんだけど、ここからが本題。


資格以外の社員のインセンティブ


 社員のインセンティブとしてたとえば「ブログを書け」とか「Twitterでフォロワーを1000人以上持て」とかそういったものはどうだろうか。と思う。社員に好きな技術、好きなときに好きなことを書かせるだけ。たったこれだけ。その後、例えば月間のPVがいくらとかいった評価で報奨金を出す。報奨金が出るようになっていれば、個人からみれば(続く限り)ある程度の定収入が入ることになるので、実質上の給料が上がる感じがするはず。モチベーションもここで上がるし、内発的動機が出てくる。(書かされているから、書きたいへの変化)報奨金が無理なら、どうすれば個人に対するメリットになるか考えていけばいい。名声?飲み会への誘い?社長の「よくやっているね!」の一言?なんでもいい。ありえないかも知れないけど、ひがやすをさんのようなスーパースター的存在なんかが出た場合は、会社からみれば1人で資格取得者100人分の知名度じゃないだろうか。



 ただ、こういう荒唐無稽なアイデア、思いつきに「ウソの申告」「仲間内によるウソの申告」はどうすんのさ?とか言ってくれる人がいる。なんともうれしいねぇと思うんだけど、お互いに見もしない読みもしないページを見てPVを稼ぐってヤツね・・・でも実際ブログを書いていてPVを見ていると分かるけど、それができるのは仲間内が見る程度のPVのページでしょう。他の人が見るようになれば、そんなのをやっている暇があったらブログを書くよ!ってなる。ここまで来ると内発的動機が生まれ、プラスの勉強のサイクルが出来上がる。



 しかし個人をそこまで持っていくにはどうすればいいんだろうか?大半の人は「ブログ?めんどくせぇ」「Twitter?なんで頻繁にPCの前にいなきゃならんの?」(携帯から可能ってのはおいておく)って思うのじゃないだろうか?内発的動機が生まれるまでは、個人に対し、1日1つチェックポイントとか目標を作って、キチンとそれを読んでやる。読んでほめてあげ、会社全体が注目していることを本人に伝える。



 これには見るほうも大変だと思う。書いている本人より技術が無くてもいいけど、読んで分からない部分はキチンと質問して傾聴して咀嚼するってプロセスを何度となく行う必要がある。少なくとも両者のゴールは同じになるけど号令を出すほうも実行するほうも大変だ。信頼関係がないとできないと思うし、「管理職だから技術いらね」なんて言ってられない。でもやっているうちに、身内だけじゃないほかの誰かのブックマーク、スター、拍手、コメントなんかが付いてくるうちに、社員が社内だけじゃなく外の世界を見出す。こうなればもう何もしなくともブログやTwitterを続けてくれるんじゃないだろうか?



 こういった仕組みを考えたんだけど、ある程度の規模の会社になればコンプライアンスなんかの方が重要になってくると思うので出来ないだろうなぁと思う。こういった仕組みができるところはベンチャー的な会社だろう。でもベンチャー的な会社の人材って何も言わなくとも勉強のサイクルは持っていると思う。なんともかんとも。