arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「ラッキーマン」を読んだ

 娘と息子を連れて行った本屋で見つけて即購入。ちっちゃくて、あったかくてかわいい。そんな息子の手をにぎにぎしながら、ベビーカーに乗った娘を本をいじらないように連れまわしていたときのことだ。か〜!本なんてどうでもよくなってきた。「かゎいぃ〜〜〜ん」ベビーカーから身を乗り出して何とか本を触ろうとする娘を見ながら、そんな僕の目は見事に垂れ下がっていたに違いない。いいんだいいんだ、キモイオヤジねぇ!って言われようが。


 そんなとき、こちらを笑顔で見つめる誰かがいる!こんなオヤジを・・・デキルな・・・おべっか言われても何も出ないぞ・・・そういぶかしげにあたりを見回すと1人のいいオッサンがこちらを見ている。なんとマイケ〜ルじゃないか!あぁなんて懐かしい笑顔なんだ。「ファミリー・タイズ」の頃からこの笑顔だよね。そんなわけで購入です。どう?ジャケ買いって面白そうでしょ。


 マイケルJフォックス。僕がひそかにファンだった人。アレックスPキートンは大好きだった。ファミリータイズは日本では当時シーズン2まではやっていたけどシーズン3?(最終回でアレックスが就職して羽ばたく前で終わったヤツ)。は大学時代にビデオで見た記憶がある。その彼が書いた半生。よく知られているように、マイケルJフォックスはパーキンソン病と闘病しています。そんな彼のインタビューはYOUTUBEなどにもアップされていて先日もコメントを書いたとおりです。

アメリカの昔見たホームドラマとかを思い出していろいろ調べているときに見つけたもの。ファミリー・タイズは僕の子供時代の最高に面白かったTVの一つさ。先日も会社の人とパーキンソン病になってから全然見なくなったねーとか、話したけど、このインタビューは感動させられます。病気の事も触れられているけど、人生を悲観的に考えるんではなくて、非常にポジティブな人なんだなぁと感じさせられた。

マイケル・J・フォックス自らを語る - nigredoな日々 〜 arcanum.jpの出張所 〜


 この本では、パーキンソン病を発症した記憶から始まり、父との切ない子供時代、演劇、音楽との時間、カナダ時代の役、アメリカへ来てからの苦労、そしてファミリータイズ、バックトゥザフューチャー、絶頂のビックリハウスにいるような時期、と続き、中盤あたりから重苦しいパーキンソン病、アルコールとの闘い?、家庭不和があり、読むのも非常につらくなってきます。


 しかし本の3/4を過ぎた頃から病気との和解や逃避に飲んだアルコールとの決別により、だんだんと冬から春になるように重苦しい雰囲気もなくなっていき、パーキンソン病以後に生まれる双子の子供の頃には、なんか5月の気持ちのいい風が吹いているような感じのする読むほうも救われてくる話です。最期は、フォックス財団の設立に至るまでですが、中盤の閉塞感とは異なり、マイケルが光の中に羽ばたくような文章です。


 ラッキーマンについては冒頭のように知らずに購入したのですが、こんな文章、本人には書けないんじゃ・・・(ゴーストライターなんでしょ)と思い、Webで検索したところ、14ヶ月にわたり、本人が書いたとのこと。編集の人が携わったのもあるけど、同じ文章を複線としてチェーンステッチのように繰り返し現れる。それが前に現れたときの気持ちを増幅させるような感じ。文章構成、表現、どれも面白いと感じました。


 よくよく読むと、僕が彼の映画に親しんでいるころも既にわずらっていたそう。そういえば年齢はと思い調べてみると、1961年生まれと言うことで、自分のちょうど10歳年上。結構上だったんだね。自分が大学時代にわずらい始めたことになる。そんなことも知らずに、ファンだなんて今思うとおこがましい!ラッキーマンすら知らなかったのに!!さっきはファンと言っておきながら、舌の根も乾かないうちにこんな事を言うのはなんだけど。マイケルごめんね。忘れてしまっていたよ。


参考

マイケルJフォックス財団。パーキンソン病の研究
http://www.michaeljfox.org/