arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「[新版]ドラッカーの実践経営哲学」を読んだ

[新版]ドラッカーの実践経営哲学 (PHPビジネス新書)

[新版]ドラッカーの実践経営哲学 (PHPビジネス新書)

買うまでのいつものアレ

いきなりドラッカーってのもカッコいいけどまずはこういった要点本を読んでみようかと漠然と考えていた頃に、本屋で新書コーナーにあった(実は再販なんだけど)。あのドラッカーの訳者である上田惇生氏も絶賛と書いてあった。だったらさぞ良いもんだろうと思い購入。

本の内容とか


 本各章の始めにドラッカーの言葉を引用し、ドラッカーの哲学を分かりやすく説明し、著者の視点を書くと言うスタイル。本の中には日本での例をいくつかあげながら話が進む。その例となる企業が今日本で大手といわれる企業だったりするわけなんだけど、今では想像も付かないような苦境から立ち直ったことなど今の不況といわれる現在でも、もしかしたら当てはめることができるんじゃないかと期待してしまう。



 読んでみて一貫しているのは「お客様本位」ということだろう、「良いものを作れば売れる」や工場や売る側で決める「適正価格」など、売り手の視点ではなく、徹底的に買い手としてのお客様視点が重要と言うことだろう。お客様視点として立ったときに、じゃぁ何が大事かと言うと「良いものを作る」ではなく「売れるものを作る」で、売れるものとは何ぞやと考えるとなると、ドラッカーの言うマーケティングが重要だよってなる。


 先ほどの適正価格なんかも原価からはじき出した数字のように、売る側が決めることではなく市場(お客様)が決めるものとしている。そうするとお客様が何を求めているかわからないとできない。本書では「売れるものを作る」という表現をしていたが、その売れるものが何か?ということを考えるのが、マーケティングであり、お客様本位ってことなのだろう。そうすると今までやってきた考え方とは180度違ったものの見方をしなきゃならない部分もあるだろう。



 自分の業界で考えた場合、売り出したい100の機能を持ったソフトウエア、100の機能が100パーセントできないと売ることができない。100の機能が完全にそろって売る側は「よい物」だ、「売れる」と考えていたりする。でもその良い物を作らないと売れないとしたらその時点で既に、他の同業者に価格面、販売時期といった所で負けてしまうということだろうか。ウチの上司が聞いたら「正気の沙汰じゃない!」って言いそうだけど。



 ちょっと違うかもしれないが上記の100の機能を作った工数に対し売り上げを上乗せし、「いいもの作った!これなら売れるだろう!」ではなく、180度反対に考えて、100の機能のうち必要最低限の30の売りやすい機能(お客様が真に求めている機能)を作り、売る。30の機能ってのは本書で言うマーケティングであり選択と集中で「売りやすいもの」とは何かを考えるところだと思う。