- 作者: 須藤彰
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2011/07/06
- メディア: 単行本
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震災がおきて約1箇月とちょっとの間、政策補佐官として内局と第一線の接着材として活動した事を私事の日誌として書いている。自衛隊が災害時に何を考え行動するのだろう。それらがこの本から読み取れる。もともと吉田防衛大臣秘書官から毎日私信の形でいいので現場で何が起こっているのか生の声、叫びを知りたいとの依頼があり、日記として送っていたところ沢山の方に読んでいただいた。その流れのなかで扶桑社から出版されている防衛省の広報誌「マモル」に一部が掲載され、書籍化という流れだそうです。
正直自分が住む土地や、通勤地の仙台は既に被災地ではなく今までの日常が戻ってきています。被災地の方に何か自分でできる事は無いかと考えつつも日々の生活に忙殺され、何も出来ないでいますが、自分自身、震災が起こってから「あぁ、あのあたりか・・・」とか「あの時か」とかいった記憶を呼び覚ます効果もあり、著者に対し感情移入できました。
自衛隊ってとてもウエットな組織なんだなぁ、そういう空間を共有するからこそ、「同じ釜の飯」は強い力を発揮するんだろうなぁ。こんなに一つの方向を向いている組織も無いだろう。こんな組織もいいなぁと思う自分がいた。
内容は笑いあり、まじめな話ありですが、涙ありで電車内では読まないほうがいいですよ。僕は次の文章に電車中、グッと来るものがあり、「あぁ、目にゴミが・・・」とかわざとらしい動作をしてました。
途中『おれ、自衛隊に入るから』という小学生もいました。それは頼もしい。理由を聞いてみると、お父さんが帰って来ないかとずっと海を見つめていたところ、若い自衛官に声をかけられたそうです。理由を話すと、その自衛官は何も話さずに肩に手を置いて、しばらく一緒に海を見てくれたそうです