
行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)
- 作者: 杉山尚子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/09/16
- メディア: 新書
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※ 本書のまとめではありません。内容は無いよう!キリ!
島宗 理先生や奥田 健次先生、舞田 竜宣先生の行動分析学の入門書を読んでると必ず登場する本書、ずっと興味がありつつ読んでなかったので、購入。
本の構成は他の先生と同様、問題のある行動を提示し、その随伴性を示し、好子、嫌子などによる強化、弱化、消去などの説明をしていく。この辺はどの先生の本も同じ。でも先生により専門が異なるため、文章も違いがある(当たり前だけど)島宗先生はどちらかというと個人のパフォーマンスマネジメント、奥田先生は問題児童などの障害教育、舞田先生はビジネスにおける組織マネジメントとレイヤが異なる。自分の興味のある分野の方の著書を読めばいいと思う。僕は舞田先生の文章からにじみ出る優しさが好きですね。
ご本人はあとがきのなかで「教科書的」で「痛恨のきわみ」と書いているが、僕はそう思わなかった。途中で入る先生の経験をもとにした話、スキナー箱などほかの入門書には書いていないことがたくさんあり読んでいて飽きなかった。さらには4章からはほかの入門書とは異なり、行動分析学のなりたちなど知ることができたので大変面白く読むことができた。
本書の中で「動物はそうかもしれないけど、人間は違う!環境が人間の行動を限定するわけがない!」という感情を何度か目にしたが、5章でその「人間が他の動物とどのように異なるか」という問題で「言語の使用」に着目し、その言語を使用するという部分も行動分析学の行動随伴性で示している。またその応用分野・・・これは非常に面白かった。
僕は島宗先生の「パフォーマンスマネジメント」という本で衝撃を受け、行動分析学というものに興味を持ったが、日常生活ではどうなんだろう。何か役に立っているかとよく言われる。とりあえず「無いよww!」と行ってお茶を濁しているが、自分の行動、他人の行動(たとえば自分の子供の行動)を見る場合、また、どうしたらこの子はこれをしてくれるだろう・・・といった悩みを持ったとき、次の2つで考えるようになった。(そうそううまくはいかないけど)
- 短期的なメリット
- メリットを受け続ける事による習慣化
僕は行動分析学は好子出現による習慣化や、好子消失、嫌子出現による行動の消去が日常生活では重要じゃないかと思っている。(ただし嫌子出現は最後の手段)なので、その人にとってまず短期的なメリットは何か、そのために自分は環境を用意するのか、それとも行動の直後に現れる好子を用意すべきなのか、そしてそれを受け続けることによって、行動が強化され、習慣化される。
この手の本はおもしろい。もっと知りたくなってきたな。

- 作者: 島宗理
- 出版社/メーカー: 米田出版
- 発売日: 2000/03/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 奥田健次
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/11/16
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- 作者: 舞田竜宣,杉山尚子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/12/17
- メディア: 単行本
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