- 作者: 北条かや
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/02/26
- メディア: 新書
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スクーで偶然見て、面白そうなんで早速買いに行きました。キャバクラなんてお金使ってなんでおいしくもない酒飲みながら女の子と話すなんて無理ゲーでしょ!とか自分には思われるんで行かないですが。キャバクラは日本のサラリーマンにとって「男の絆」を深めるためにあるのだそうだ。そこからすると自分はここでも欠陥品なんだが。この本、自分の個人的な感想や体験、思いもあったりなんか身近に感じられるような文章だね。
こう読むとキャバ嬢のことをキャストって呼ぶ意味がわかる気がする。なんかこう、紳士協定みたいな見えないルールがあって、台本の無いような舞台の中、そのなかで友達以上恋人未満を楽しむ。その舞台で踊る女優であるという事からキャストと言う言葉を使用している。雑誌が始めに言ったとの事だがうまいこと言うね。なんとなくしっくりくる言葉に感じた。
本の中で繰り返し出てくる「キャバ嬢だけどキャバ嬢じゃない」と言う表現、務めた店の店長いわく、「客を人として見る/客として見る」p161と言う表現も取る。本書で何度も水商売への嫌悪感が吐露される顔と金の交換システムと言うやつに対しての答えなのかな。客を人間として見る事と客として割り切る事への真剣な思い、悩みだと思う。アマゾンレビューに自分の自己啓発本とあってなるほどって思った。
この本の中では、黒服の励ましや、いろんなインセンティブ(金)でキャストが働きやすい(演じやすい)環境を用意する。そこを見ていると自分の働くIT業界を考えてしまう。キャスト≒技術者/SEとして読み替えると、IT業界ではキャストは働きやすい環境を持っているだろうか。それともIT業界の技術(者)なんて商品としては魅力が無いんかねと思ってしまう。
@arcanum_jp やはり。SIの場合は技術者は量り売りの商品なんで大切にされないけど、サービスの場合はサービスの質=技術者で、技術者が商品なので、大切にされますね
— きしだﬗ (@kis) https://twitter.com/kis/statuses/455159980555915265
鯛は一匹でうまいけど、シラスは大量に食わないと味すらわかんないって事だろう。きしださんが言うようにIT(SI)=量り売りなので大切にされない。だからちがうよん。比較できないよん。と言うのは分かる。その感じは僕がこの業界に入ってずっと感じてきたモヤモヤを先日きしださんが書いてくれたので同意できる。
プログラマ業界の二分化
その2つの形態というのは、労働集約型の業界と、知識集約型の業界です。
http://d.hatena.ne.jp/nowokay/20140310#1394414412
労働集約型はSIで多い多人数開発の業界で、知識集約型がサービスで多い少数精鋭型の開発です。
僕はこの形態のウチ、前者の労働集約型の業界にいるので余計にそう感じるんだろう。あと量り売りの他にIT業界の技術者との決定的な?違いは、この世界は流動性があって、黒服と呼ばれる経営者、マネージャー達にとってキャバ嬢はいつ辞めるかわからない存在で大切に扱わないとすぐいなくなる、また個々のキャバ嬢から見れば流動性があってもどこでもやっていけるし、客は自分に付いて来ると言う事だろうか。かといって流動性最高!とは言わないし、SIのお客様なんて個人を見ているわけじゃなくて対会社としての信用を見ているんだけど。
おっと、変な方に飛んだ。本は読みやすいし、自分が行かないキャバクラとか飲み屋とか色々違う世界がみれて面白かったです。今後たくさん面白い本を書いてほしいと思うぞ。おじさんは(こういうのが嫌われるんだろw)