学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
- 作者: 坪田信貴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最近、本のタイトルが長すぎやしませんかね・・・
1年で偏差値40上げて慶応に入ったギャル本、あぁ、またこの手の本か・・・その昔「東大一直線」と言うのがあってだな・・・(略)とか、「うわー凄いパツキン!」って表紙だけど僕が子供の頃は「積木くずし」って映画があってあの主人公の金髪が小学校の自分や周りのみんなにはものすごい衝撃的だったなとか・・・なんかオッサンは思い出すわけです。もう僕は不惑の年。そんなものには少々とも驚かないわけです。ふふふ・・・勝った!おれは買わないぞ!
Webの記事なんかを読んだり本屋行くたびにバーーーーン!って並べられているのを見ていると色々と面白そうになり、読んでみっか!と思い買ってしまいました。(うわ!心が弱w)おもろい。笑いあり、涙あり、真面目な話あり、落語のような本。著者と主人公の漫才のような掛け合いが面白い。40上げて慶応とか刺激的なタイトルで、著者の受験の方法がちりばめられたり著者の教育に対する思いがとても良く込められた本なんだけど、内容は受験を通じての一つの家族の物語です。これは読ませる。
ああちゃんの教育観念には泣きそうになりました。主人公のさやかさんの受験が中心なんだけど、ところどころに、ああちゃん(お母さん)の話がちりばめられる。ああちゃんの人と柄の成り立ちから、そのような教育観念に至った経緯、さやかの学校での扱いに対する抗議、さやかが慶応を目指したときに高額の教材費が必要になるんだけど、それをどうやって集めたか、それに対するさやかへの期待の仕方。本書で言うBeing(ありのままでいてくれること)がジーンとして泣けてしまう。母性だよね、母性。
ただの学歴にも名声にも意味はない。だから、子どもに大人の理想は押し付けない。本人がワクワクすることだけをさせる。それが子どもの感受性ややる気をはぐくむ。
世界中が敵になっても、我が家だけは絶対的に見方だ、と思える家庭を作る。怖い親にはならない。
本全体を通して、ああちゃん=見方、お父さん=悪、と言う感じの図式で書かれるんだけど、お父さんは弟に対する期待で本書でいうDoing/Having(結果がすべて)という接し方をします。いわゆる父性。家族の関係も最悪です。その悪の権化に見える父は最後はどうなるんでしょう。読んでのお楽しみです。弟さんの父に対する言葉が泣けてきます。子ってのは親をよく見ていて期待に応えようとする。根っこでは好きなんだなと。あとお父さんのこの言葉が好きです。
「先生ね、友達が目の前で倒れてたら助けますよね?10メートル先だったら?百メートル先だったら?距離の問題じゃないでしょう。僕は、どこでもかけつけます。自分が助けられることならなんでもします。」
この本読んで幸せ感じないやつはおらんでしょ。ぼくは通常はこの本で言うお父さんに近い。カミさんの教育観念はこのああちゃんに近いと思う。母性と父性はバランスが大事かなと思い、通常はそれでカミさんが鬼になったら自分は仏になるって使い分けているつもりなんだけど。本書で言う人をBeingで評価するという事がいかに大事かというのが分かりました。
著者の坪田さんって方は本書のいたるところで心理学の理論を使って勉強を教えていますと書く。実際にピグマリオン効果やら好意の返報性やら耳慣れない言葉が出てきます。四章には先生側の心構えもあるが生徒側にとっても実践的な方法が書いています。勉強のさせ方、モチベーションのあげ方なんだけど1つ1つが行動分析学(心理学)で言う好子のスケジューリングとか自分も自分なりに勉強した部分が思い出される部分があり、すごくためになります。
もう一度言うね。「子どもが夢を語って努力を始めた時、周囲は、それを信じて温かく見守る」−−ただそれだけで良いのです。
すごいなーー、その実践が本書で言う坪田式のやり方なんだろうし、その実践方法も本書にまとめて書いてある。そのサンプルがこのさやかさんである。でもこの本で書かれてるやり方ってのは色々な本でも読んだようなことで何も不思議なこと、特別なことじゃないんだよね。部下をもった人が読む本とかにも同じようなことは書かれてる。いわゆる人間力とか言うものだろう。いかに理論はありふれており、実践は難しいかってことなんだろうな。
参考
話題の書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の主人公が、顔出しインタビュー
派手で不機嫌そうな女の子が印象的なこの表紙—。ホントにこんな子が慶應大学に入ったの?しかも、学年ビリで、クラブ遊びも当たり前のギャルだったなんて。話題の「ビリギャル」が真相告白。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38867
あれ?本の写真と違う。年齢が進んだから?当時の写真なのかな?結構都合よく本に使える写真残っていたんだなとか思った方、実は表紙裏に書いてありますが、写真はモデルさんですよ。
- 作者: 池田晶子
- 出版社/メーカー: トランスビュー
- 発売日: 2003/03/20
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