arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

選挙速報値の謎

富谷町長選挙および富谷町議会議員補欠選挙における開票中間数速報をお知らせします。(0時20分現在)

http://www.town.tomiya.miyagi.jp/event-topics/svTopiDtl.aspx?servno=4276

 先日行われた宮城県黒川郡富谷町の町長選の速報値を見ていて面白いなと思い調べてみた。

 面白いなと思ったのは、上で上げた役場の速報値が、両陣営とも500,500-->1000,1000-->2000,2000...と同じ値をしていたこと。おお!凄い接戦だ!と酔っぱらった頭で見ていたけど、両陣営とも500とか1000とかキリのいい数字で同じ票が続くはずもなく、なんでなんだろうなと思ったこと。速報値ってその時の開票した数字じゃないのかよぉ!と。

 まず、有権者が投票した票は、「有効票」と「無効票」に仕分けて行きます。有効票には2種類あり、今回の選挙で言えば

  1. きちんと「若生英俊」や「若生裕俊」などどちらの候補者か分かる書き方をした票
  2. 「若生」とだけ書いたような、どちらに入れればいいか分からない票

 です。2のどっちか分からない票はとりあえず無視しておきます。

 各投票所から集められた投票箱は開票所に集められ、そこで上記のように仕分けられるのですが、開票した票は開票立会人が確認していきます。この開票立会人は候補者が選任することができますが、公職選挙法だと10人までで、今回は何人だったかはわかりませんが、この人たちが開票された票を確認していきます。

 この際、1票を開票したごとに立会人が確認するのでは時間や票がなくなるリスクなど負荷が大きすぎますのである程度束なったら確認してもらいます。富谷町の場合は500票で確認していくらしく、この500と言う単位が速報値の動きなのでした。この束の数は選挙管理委員会によって異なるらしく、今までの経緯などで決められているみたいです。

 両陣営コップが1つあって開票するたびに自分の票だったら1滴づつ溜まっていって、コップが一杯になった時点で立会人が確認するんですね。接戦でなければ溜まり具合も異なりますので、速報値にも反映されますが今回は接戦ですので溜まり具合も一様に近く、確認が取れた時間も同じような時間と言うことでしょう。

 500票を立会人が確認し、その立会人を統率する方がいてその人が確認してやっと票の確定となります。また、500票のうち立会人が異議を唱えた票はどうなるのでしょう?それは例えば500のうち1票に異議があるとなった場合、異議のある1票を除き499票は戻され、500票になった時点で再度立会人が確認します。今回の場合「で」と「ろ」が分からないような書き方をされた場合のようですが、0:00まで速報値が同じだったのを見ると異議はなかったようですね。

 接戦ですので速報値を出す時間では差が見えませんが、じりじりと差を引き離して1時間のうちに2回500票の確定を出して差をつけたのが0:00だったのでしょう。これは本当に候補者には心にも体に悪いですね。あと開票作業している方々も。

 イメージとしてはこんな感じです(実際の票数は反映していません。あくまでイメージです)

 青い線が速報を出した時間です。速報値はあくまで束が確定した値ですので速報値と本当の開票には差があるんですね。

 そのようにして全部の票を確認していくのですが、最後にもう一つあります。先ほど有効票であった2.のどちらに入れればいいか分からない票です。これらは両陣営に按分して票が配分されます。とりあえず有効票は有効になるように計らわれるのですね。

 ただし、按分計算は単純に候補者数で割るのではなく、総得票数の比率で配分されます。有効票120票あってA候補40票、B候補80票の場合で10票が分からない票があるとしたら、A候補には2.5票、B候補には6.6票が振り分けられます。あとのあまりは「候補者の得票に属しない計算上切り捨てられた有効投票」として切り捨てられます。

 今回の場合は接戦(僅差)と言うのと候補者が2人だけで按分しても両候補とも同じ割合が増えるだけで、この按分票は大勢には影響しない票です。投票の際、候補者名は間違わないようにしたいですね。下は、最終的な結果ですが、今まで結果発表された値がなぜか小数点ありになっていたのですが、これで疑問が解消されました。

富谷町長選挙および富谷町議会議員補欠選挙の結果をお知らせします。

【富谷町長選挙   確定:平成27年2月9日(日)午前0時35分  開票進捗率:100.0%】

得票順結果候補者名党派得票数
1当選若生 ひろとし無所属9,812.933
2-ひでとし無所属8,726.065
※候補者の得票に属しない計算上切り捨てられた有効投票 0.002

http://www.town.tomiya.miyagi.jp/event-topics/svTopiDtl.aspx?servno=4306

※上記引用はarcanum_jpによってテーブル形式に編集。詳しくはリンク先をご覧ください。
 

まとめ

 開票作業は以下のプロセス

  1. 開票していきある程度の束になるのを待つ
  2. ある程度の束になったら開票立会人が確認する
  3. 開票立会人が確認すると票が確定する
  4. 最後に分からない有効票を按分して配分

 とりあえず1〜3について図にしておきました。これを繰り返します。