arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

兎が二匹、を読んだ。希望の中にある絶望。絶望の中に見る希望

兎は一羽二羽じゃないかというのは置いておいて。最近は頭で数えるような動物も一匹二匹と数え・・いやこんなのは関係ない。

あゆみブックスで貴重な定時退社のひと時を過ごしてロードスターえぇなぁ!また乗りたいなぁとかロードスターの冊子を読んだり、この前読んだ本の著者のほかの本は?なんて探したりして本屋のひと時を過ごした後、帰ろうとしたときに見つけたのが一話だけの冊子だったんすよ。冊子で引き込まれました。2巻で終わりなのでちょうどいいなと思い、購入して帰りましたよ。

バスの中で1巻の途中まで読んだけど、ほんと一話で見せた絶望に向かう話で辛かったです。なんと表現したらいいか・・その記憶の最後は僕らは初めに絶望で終わるって知っている。それをなぞっていくなんてこの物語どうかしてるわ!という感覚。僕は絶望に向かってこの物語をなぞる。

でも最後は希望なんだよね。高々60年で死んじゃう僕らにはわからないだろうけど、これからもずっと生きていなくちゃならない絶望に対する希望を見つけた。でもその希望も絶望でしかない。絶望という名の希望。新海誠の「ほしのこえ」のマンガ版の最後に見るように、本当に起きるか分からない。でもすがりたくなるような希望だ。


仏教の列伝で親を足蹴にしたために永遠に思えるような長い間、地獄の苦しみを受け続け、自分の額から流れる血だけがその人の糧になるという若者の話があるけど、この主人公は何をしたのだろう。何の業があってこんな仕打ちのなか生きていかなくちゃならんのだろうと。列伝の話と同じように、でもそれがこの主人公が見つけた自分の希望なんだろうなと。



おれにゃ到底我慢できんわ!



追記。初版は僕の誕生日だ!


追記2:

 著者もツイッターで言っていましたがあ、どうやら、食用が一羽二羽・・愛玩の場合は一匹二匹と数えるみたいですね。