arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

小学校の盲導犬講習会行ってきたなう

娘の小学校で親子で盲導犬の講習会があったので行ってきた。このイベントは毎年開かれていて、以前にムスコ氏の時も自分が行った。今回は再度自分が行くことに。

講習は日本盲導犬センターの宮城支部のPR担当の方が説明してくださり、実際に盲導犬を使用しているユーザーさんのお話を聞きました。盲導犬は2頭来ていて、1頭はそのユーザーさんが使用しているもの。もう1頭はPR担当の犬。

日本全国で盲導犬数は951頭。うち、宮城では21頭で実は盲導犬はまだ足りてないそうで、今日はそのうちの1頭が来てます。

初めに盲導犬に会った時にしてはイケナイ事を教えられました。それは触ったり呼んだりすること、食べ物や飲み物を与えたりすることで、犬が集中盲導犬の仕事に集中できなくなるとのこと。

イムリーにこんなツイートが回ってきました

とても勉強になります。


盲導犬の仕事は3つで、

曲がり角を教える
障害物をよけて歩く
段差に止まって教える

とのことで、実際に会場で疑似的な曲がり角を作ったり、障害物を作ったりしてPR犬のグレープちゃんにやってもらいました。例えば曲がり角に来ると止まります。行く方向が左と前にあったりすると体を斜めにしてどちらに行くか人間の指示を待ちます。動作としては道路の側面に沿って歩くみたいで、障害物があるとその直前でよけるのではなく、結構前からよけ始めているのが分かります。

今日は盲導犬の話でしたが、白杖(はくじょう)についても学びました。これはみんなは目が見えない人が使うものと言うイメージですが実は見えづらい人も使っているという事。たまに動きが素早い方や、携帯を見ている白杖を使っている方がいらっしゃったりしますが、あれは目が見えづらいので使っていると言う事でしょう。ただ、今日来た盲導犬ユーザーの方も言っていましたが、白杖を使うのはとてもためらってしまう、抵抗があるとのこと。


盲導犬ユーザーのはなしは、殆ど目が見えない方、目が見えなくなって15年ほどとの事。目が見えなくなったのは子供が生まれてから。網膜変性症と言うのにかかり、初めはなんか目が見えづらいと思っていたら失明してしまったとのこと。目が見えなくなって、生きていくのもしょうがないというぐらいで現実を受け入れるのが難しかった。一番つらいのは子どもがいるのに何もしてやれないことが辛かったと。小学校の運動会でみんなが自分の子どもを応援しているとき自分にはできなかったなど。

初めは盲導犬ではなく白杖を使っていたが、使うのがためらわれたとのことでした。それで一度白杖無しで家から出てみたとこと、工事中の場所でどうしてよいか分からず、自分が目が見えないというのが分かってもらえないそういった事を経験し、そのまま家に帰ってしまった。その後、白杖を使うようになったが、周りが気にかけてくれるなど頑張れると感じた。

今いる犬は数頭目で性格はおとなしく臆病だそうです。一番初めの犬は10年ほど一緒にいたがバスが苦手だったこと、ユーザーと相性が合わない盲導犬などもいたことなどを話してもらいました。盲導犬を持ちたいと思ったのは仙台に盲導犬センターが出来て行ってみたら勧められたからだろうです。その後共同訓練といい、犬と一緒に暮らす訓練を四週間行い一緒に住むようになったとのこと。

盲導犬と暮らすようになって世話は大変です。ご飯の世話、排せつやシャンプーなど大変ですが、それよりも盲導犬と歩くようになって楽しく歩けるとのこと。白杖で歩いていた頃は非常に神経質に歩いていたんだけど、盲導犬と歩くようになってそれがなく楽しく歩けるようになったとのこと。

最後に盲導犬は犬なので色が見えません。そのため信号機のある場所は犬はいったん止まりますがそれが信号機かどうかは分からない。なので青かどうか知らせてくれると助かりますとのことでした。

それから質問タイムでいくつか質問が出ました。

<質問>信号がない交差点はどうやって渡る?

角になるので犬が止まるので、点字ブロックなどで横断歩道とわかる場合もある、いつもの場所だったりすれば信号があるというのは分かる、


<質問>盲導犬の服には何が入ってる?

ハーネスバッグのポケットには、足を吹くタオル、町中で排せつをした場合のフンなどが入っています。ちなみに排せつも指示があって行うそうです。賢いですね。

<質問>散歩とか、雨の日は?

レインコートきてでかけます。ただその日は返ってきたらすぐお風呂で足を綺麗にするなど大変です。

<質問>盲導犬はいつから?

戦争で目が見えなくなった人に作られたのが始まり。ドイツから始まった、それを日本に輸入してきた。仙台の盲導犬センターは16年ほどの歴史があります。

<質問>階段の仕事は

段差の前でで止まる。周りを探ると段差がわかる。盲導犬が坂を引っ張ってくれるわけではないですよ。

などなど。勉強になりました。これを聴いて、盲導犬自身は、角、段差や進めない場所に来ると止まると強調されるのかなと思います。そのあとは人間が状況を判断する必要があって、その場所が曲がり角と判断すれば行きたい方に行くし、段差と判断すれば、登る、下るなどの動作を行う。一見簡単に書いてしまいましたが、これは難しいなと感じました。

あと、ふと不思議に思ったのが、協調しているときは、エサやなんかの褒賞がインセンティブとして使われるのだと思います。ただ、目の見えない方と実際の生活に入った場合の犬にとってのインセンティブはなんでしょうか?ここが一番不思議に思いました。その答えは講習会の最後に「犬は人間に触られるのが一番の報酬」と言っていたので、一緒に過ごすユーザーから褒められるのが報酬なのかなと。

以前読んだ「犬はあなたをこう見ている」でも犬自身は人間が大好きで、仲良くなりたいという願望を持っていて、触られたりするのが大好きと書いてあったのにも一致します。そこから言うと、先に紹介したツイートで言っていたように、盲導犬に不用意に触れるというのは、集中力を削ぐ他に、犬に不用意にインセンティブを渡してしまい、触られてもいいんだ、と言う学習をさせてしまう事なんだろうなと。みな善意で触ったつもりでも、それは盲導犬のユーザーさんを危険にさらしているという事なんだろうなと。

最後にPR犬のグレープ君に触って終わったのですが、ハーネスをつけている時と外した後で犬の行動が全く変わった事にびっくりしました。つけているときは本当におとなしい犬で、布の上でピクリともしないのでしたがハーネスを外して皆に近寄るときは、「犬」なのです。とてもかわいかったです。



そんときのつぶやき
https://twitter.com/arcanum_jp/status/905239609986007040