arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「残念な人の仕事の習慣 」を読んだ

残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS)

残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS)

いつもの買うまでのアレ


 本屋で本を漁っていると目に飛び込んで来た。んー、この人、前の残念本で話題になったんでまた残念本を書いたのかなぁ・・・残念だなぁ。前作は面白かったのに・・・映画は1作目を超えられないって言葉通りにならなければいいなぁ・・・今日はもう購入したい本は決まっているし、ま、ちょっと冒頭を読んでみっか・・・と斜に構えた自分がいた。要は何かに嫉妬してんのね。何に嫉妬してるんだろ。


 本を手にとって読み始めると、おも、面白すぎ!冒頭からこの面白さ・・・第1章の「できる人がやっている「損してトク取れ」方式」の著者独自の分析と解説。どうすべか・・・(僕はケチで貧乏なんで基本的に本は多量には購入しない性格。つーか、買えない)次の本としてリストアップしとくか・・・でもリストアップ中の本はもう沢山あるんだよね・・・でも、なんか読みたいし・・・イヤ、読むんだし・・・イヤイヤ、読むべきだしと心変わりをして今回購入する本のついでに購入。あぁ・・・こんなに本買ってどうしようか・・・と一瞬後悔。


率直な感想、本の内容で気になった部分とか

 前作の残念本もそうだがこの本は、「こういう分析だよ」「こうすればイイよ」って事柄は書いてあるけど、この人の物事の感じ方、それに対する分析、所感。自身も本の最期に書いているけど、「単なる無味乾燥な情報ばかりが記載されている説明書」ではなく、この人の考え、感情が色濃く反映されている。どちらかと言うと、ハウツー本と言うよりはエッセイに近い。僕はこの人の文体が面白くて読み続けてしまった。この文体、合っていない人には多分「自分の主観と自慢だろ」となるかもしれないけど、かなり僕に合っているんだろう。正直面白いと感じました。


 本の概要については色々なページで目次、概要レベルでが書かれているし、要点なんかも書いている人を見かけるのでソッチを見てね。ぼくは本の内容で気になった部分について色々と考えたことやメモを書くよ。

「呼び出しボタン」が招いたファミレス店員の残念な習慣 P53
 これは、強みがあるゆえに生み出してしまった弱みの例である。
  ・・・(中略)・・・
 考えない人間をどんどん生み出している。これからの情報システムには新しい
コンセプトが求められているのであろう。

 まぁ、これはお客の「呼ぶまで来るな」と店側の「ボタンが押されたら行くよ」でお互いの利点が一致したんだろうけど、本来の外食産業の従業員がやらなくてはならなかったことが忘れられてしまったってことかな。効率的なシステム(コンピュータシステムではなく、仕事の仕方)を構築するってことは、属人化した作業をなくし、誰でもできる平準化された作業しか残さない。


 大概その構築過程の中で仕事の前提、意味、システムでは必要ない部分などは破壊されてしまう。この場合で言うと、「従業員は店内に目を配る」という暗黙の責務が「ボタン」のおかげで消えていく。ボタンというシステムにはそんなこと書いていないからね。


 本書の「サービス業をエンジニアリングで考える」で言っているように、「従業員にしかできない付加価値のある仕事」の構築の仕方がこの「呼び出しボタン」では残念な方法、方向に動き、実はもっと良い方法があるんじゃないかということかな。

「休日も働け」という暗黙の命令を回避するには P94
 すなわち、スケジュールの主導権を握ることが重要である。

 なるほどね。新人さんが例えば帰る前に「今日の作業は終わりました。あと何か作業、手伝いはありませんか?」と一言聞くのも、自分の作業を「見える化」するのもこの点から言うと、スケジュールを本人に握らせることができるということか。

仕事には飽きるが、ゲームには飽きない P140
 面白いことはそこら中に転がっている。キーワードは、ゲーム化、日常へのフィードバック、
勉強との接点、自分のポジションの構築である。

 仕事に関連することをゲーム化して勉強とは言わず覚えましょう。その勉強した内容をフィードバックすることにより、自分のポジション構築に影響するよってことか。

 ちなみに転がっているけど、それが見えないのが僕達凡人なのかな。Webサービスなんかでも自分で考えるんだけど「こんなの考えても面白くねぇだろうな」と考えていたものを、別の視点から作って「その手があったのか!」と思ってしまうものもある。見えないのは実は見る視点が悪いからか。エッシャーのだまし絵を実際に作ったのを別の視点からみると「こうなっているんだ」と思うのと同じ。その別の視点を想像できない自分が残念だな。

「標準化の圧力」との戦い
 これが現実である。
 チャップリンの時代からはずっと工場でそれが起こっていたが、
90年代後半からはホワイトカラーの世界で同じことが起きている。

 最近読んだダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」でも指摘されていたこと。

サービス業をエンジニアリングで考える P184
 サービスをエンジニアリングで考えるとは、以下のようなことだ。
  • 仕事の総量は変わらない、誰にさせるか?
    • 人間がする
      • 店員がやる
        • 従業員の作業時間の価値よりコストが低いなら、お客にインセンティブを払ってもよい。
        • お客が(インセンティブに)納得して自分でやるならその時間は社員が付加価値の高い仕事に使える。
      • お客がやる
        • お客が納得して自分でやるならその時間は社員が付加価値の高い仕事に使える。
    • コンピュータがする
    • 繰り返しなどの仕事はコンピュータがすることにより、その時間は社員が付加価値の高い仕事に使える。

 ⇒ こうやって人間の仕事自身を排除していくと、人間にしかできず、付加価値のある仕事のみが残る。これは付加価値の高い仕事をあぶりだすフレームワーク。使ってみよう。

客は店に「Something New」を探しにくる
 そう、わたしが書店に行くのはちょと立ち読みしたい本があることを口実に、
実は、「何か新しいものがないか」。つまり
Something Newを探しに行っているのだ。

 うん、その通り。僕が本屋に行くのは通勤時間をつまらないものから面白いものに変えるためであり、その面白いもの選びは僕になにか新しい気付きを探すため。でも一人で見にいくとどうしても同じような本棚にしか行かないんだな。コンシェルジュをつけるってのはそこに冒険をさせてくれる面白い試みだ。今のプロジェクトで知り合った本好きに会って、時々自分が知らないような面白い本を教えてくれる。そんな感じか?

目的とマッチした書籍と出会えるかどうか P196
 八百屋がスーパーに敗れ、スーパーがコンビにに敗れた。
その次はぐるっと回って御用聞きがコンビニを破る・・・

 歴史は繰り返すっていうけど、なるほどね。昔、営業中は「御用聞きになるな、提案をしろ」って言われたけど、これは御用聞きと言うお客様の嗜好を知った上で仕事上の付き合いに個人対個人が見える部分があり付き合うなかで出来上がる信用が大事ってことで、効率性、利便性だけを追求してきた今までのモデルでは取りこぼしが発生していて、それを御用聞き的な発想がこれからは必要ってことなのかな。

コストの削減は、3%よりも30%の方が簡単
 風呂水を洗濯機に再利用したとしてもたかがしれている。・・・
 ラーメン屋で煮卵とチャーシューをトッピングした瞬間に相殺である。

 これには吹いた。こういった山崎語録がこの本を面白くしている。チマチマしたコスト削減はどちらかと言うと、発想しやすく達成しやすい目標で上司受けが良いし、何よりやったと言う達成感はある。その達成感は担当者だけの充実感に終わらなければいいんだけど、一方30%の削減と言うのは社内のシステム、フレームワークの破壊なので一般社員にはどうにもならず、どちらかと言うと経営層にしか決定権は無い。むずかしいね。

本屋の改善点にもう一点


 第5章の「もしも書店から会計レジがなくなったら・・・」では本屋のソリューションを展開する。正直面白そうだねと感じましたが、本書にある書店側を改変するソリューションには直接関係がないけどこのアイデアに僕も一つ加えたいと思います。


 ユーザー登録をしてプリペイドカードなりカード決済なりをできるようにするのはいいんですが、どうやって会員登録をさせて客を囲い込むかという部分があると思う。僕はよく行く書店でも「xx様いらっしゃいませ」とデータで確認できるような登録を基本的にしたくはない。でも最高のサービスは受けたい。例えばその本屋のホームページ上などで、ユーザーの声的なものを公開できるようにするとユーザ登録する利点が見えてくると思う。つまりどこの書店でもやっていそうな機能だけど、書評をユーザーに書かせて本屋のホームページ上で公開するってわけね。


 ただ単にユーザーにその店のホームページのデータとして書かせてしまうと多分誰も書かない。いろんな本屋のページを見てもあまり書評が頻繁に書かれていないのを見ると残念に思うよね。書いているのは店員だけかなと感じたり。僕もそうだけどいくら本好きで書評なりを書きたい、人に伝えたいと思ってももAmazonなどに書評を書きたいとは思わない。なぜかって言うと、その書いた書評なり感想なりのコンテンツがAmazonのものとして扱われるから。送信ボタンを押した瞬間から自分の手から離れてしまう。これではユーザーの利点は半減する。なぜならプラットフォーム上にデータが一極集中するのは運営側には利点ばかりでうれしいけど、その反面その上で動く人達にとっては何の利点もないから。


 そこで、書店のホームページ上に直接書ける書評の機能も必要だが、例えば会員登録などで自身のブログなども登録できるようにしておく。書店側のホームページは書評としてユーザーのブログなどへのリンクとそのコンテンツの一部のみを表示するようにする。つまり一極集中せずにデータを分散させて、まとめる人になりきるって寸法。こうすることにより、ユーザーの利点が大きくなる。僕なら会員登録をしてもいいと感じる。なぜなら自身のブログなどで書評を書く⇒店側からリンクが張られる⇒Googleダンスには多少なり良い影響を与える。またブログ上でAmazonなどのアフェリエイトをしていればそのブログなりの書評へのリンクを通じてPVもアップし、PVアップは収入(こづかい)へ直結する。


 あと、その書かれたデータも現実世界でも大事。書店側で気になった書評などの要点を店内のポップに使用する(当然本人の許可は取ってね)。書評を書いている人間にとってこれほどうれしい事は無い。また、店員もすべての本に精通する必要、早く新書を読んでまとめなきゃってなることもない。いつも行く書店に自分の書いた文章が使われている。僕ならニンマリして何度でも足を運びそうだ。当然書店を訪れる機会が増えるってことは本を購入する機会に直結する。

その他

残念な人.com

不倫掲示板で大失敗した経験者がサイト選びの重要性を教えします

 こちらから、前作「残念な人の思考法」について著者のメッセージを見ることができます。えー、こんな人だったの!眉毛が!やくみつるみたいに目がパチクリしてる!僕の印象が・・・印象では中低音の効く声のカッコイイちょい悪オヤジっぽいおっさんを想像していただけに・・・