- 作者: まつもとあつし
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/04/10
- メディア: 新書
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Facebook上で流れていた本。面白そうだなと思っていた。社長がストックビジネスがどうの・・・と言っていて上司に聞けば「あぁ、ちゃりんちゃり〜んのビジネスだよ」って。そのちゃりんちゃり〜んのビジネスに興味があり購入。
ソーシャルゲームといわれる携帯ゲームなどの始めは馬鹿にされた歴史から今のGREEやDeNAのプラットフォーム、その中で使われるゲーミフィケーションなどの理論など、ソーシャルゲーム業界の裏側が分かりとても面白く読めた。さて、ちゃりんちゃり〜んと誰かが馬鹿にして言っていたビジネス。2012年度予想では3,400億円だそうな。
読んだ後のソーシャルゲームへの所感としてはパチンコ業界の誰かさんが許せない云々言っていたが、どっちもどっちでソーシャルゲームもパチンコと変わらんよね。僕はやらないな。勝手に潰しあいすれば?別に無くても構わない。と言うのが実感。
ソーシャルゲームの基本的戦略は本書によると25%の課金ユーザーにいかに使い続けてもらうかを考えるということ。そのために1日20億超の行動情報を分析する。いわゆるデータマイニングの世界。内容はゲーミフィケーションと言われる理論を使った、どうすれば課金ユーザーが脱落せずにお金を払い続けてくれるか。まさに行動分析学の好子のスケジューリングの話。面白い。
ゲーム会社から見れば自社のサービスのユーザーをターゲットにしているが、これはSierで言えば、ITを経営戦略に・・・と言う某雑誌でよくやるバズ記事の事になるのではないか?そう、ちゃりんちゃり〜んと馬鹿にするビジネスに僕たちIT業界は負けているんだよ〜ん!
人月計算でいくらやっても中国人にはかなわない。いくら上流、上流って言ったってお金の出何処が売り上げが下がっている企業では蛸壺化する。過当競争になる。そんな業界のなかでこのソーシャルゲームビジネスは何が参考になるのだろうか?先のデータマイニングもそうだが投資した資産が金を産む構造なんだなと思う。
本書の最後では、南相馬で行われたゲーム作成イベント「福島Game Jam」を紹介し、そこから見える未来を紹介し本書は終わる。今は振り子が最大に振れてゲーム会社が金金金々・・・となっているかもしれないが著者が言うように作り手にも遊び手にも利点が見出せる未来があるのであれば面白いと思う。