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おっさんの日記

「「イラッとくる」の構造 (ベスト新書)」を読んだ

「イラッとくる」の構造 (ベスト新書)

「イラッとくる」の構造 (ベスト新書)

 はてなの商品埋め込みを使おうとして題名のなかにあるカッコも入れないとなかなか検索できなくてイラっと来たのはナイショ。あれ?この題名なんだっけ?前もこんなのあったな・・と思い出したのが「「上から目線」の構造」だ、、そういえば読んだなと思いながらWebで検索すると著者が同じでした。なるほどーー。上から目線の〜も面白かったけどこれはどうなんざんしょ・・・

本書では上から目線を2つに分けている。「実績の伴わない上から目線」の言動、「実績の伴った親心的上から目線」の言動。上から目線を2つに分け様々な論文、事象を交えながら説明する。はじめの2章は上から目線を感じる心理状態と上から目線になる心理状態の説明、そこから先は日本の「甘え」の文化を中心として日本人の心理構造について。そしてその甘えの構造がベースとして、最終章の上から目線の正体を「父性」と「母性」の面から説明している。

「上から目線」の構造 (日経プレミアシリーズ)を読んだ - arcanum_jpの日記

 著者は本書で初めに「感情労働化」と言う概念について言及しています。勘定労働化とは社会学ホックシールドと言う方の造語らしいのですが顧客満足を優先すべく自らの感情を制御することを求められる仕事と言う事です。そういった仕事が増えてきている、そういった仕事をしなきゃならんと言う事でしょうか。もっと言えば第3次産業(サービス業)が多くなってきた社会と言う事でしょうか。その中で資本主義の原則に従い「お金を払う方が偉い」という図式、感情の偏りが出てきます。


 また、著者は結局その人の状況への対応は自分が、主観が判断していると言います。また4章ではジェームズ・ランゲ説の「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」という言葉から、各種の研究を引き合いに、自分の感情と言うのはその状況、自分の生理的な興奮状態にどんなラベル(感情)をつけるのかと言う事だと言います。自分と同じ環境にいる人が怒っているから、自分の今の感情は怒っていると言った具合ですね。あと吊り橋効果なんてのも有名でしょう。

 そうすると、、

  1. 先の感情労働化された社会にいる
  2. 感情を判断するのは自分
  3. 自分の感情は回りの状況、今の生理状態に影響される

 と言う状況があり、イラっとする構造の原因なのでしょう。そういった事を、著者の提唱する「自己物語の心理学」をベースに主観を視点に説明されます。


 そういった構造にいるなかでどのような人がイラっとしやすいか、また実際にイラっとした、怒りを覚えた場合の応急処置、そしてその体質改善を章を切って説明します。読んだ感じ、キーワードとなるのはそういうイラっとする人の特徴は*反芻*でしょう。怒りを反芻する状況にいる。例えばイラっとした出来事をしゃべると相手がそれに乗ってまた怒りを助長するように話題を盛り上げるなどです。そうなると怒りは言った自分と状況で反芻されます。結果として火に油を注ぐように感情が燃え上がってしまいます。


 なので、体質改善としてはそういった状況を作らないという事でしょうか。話す相手を選ぶであったり人に過度な期待を持たないであったり、相手の立場になって考えてみるであったりです。まぁ寛容な心が必要なんだろうね。「最大の寛容は無関心」とも言うけど・・・


 本書ではどのような怒りがあるか、それらの怒りの原因は何か?怒りを抑えきれない人のパターンなど分析されていますから自分がどのようなときに怒りやすいか、またそのときどのような行動を取ったらよいか分かっておくためにも読んでみるのもいいかもしれませんね。



怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

怒りについてはこちらの本も面白いです。