arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

PC回顧録

 我らがちょまどさんが、なにやら昔のネットもないPC事情が知りたいとつぶやいておられたので、そんなに面白いもんかなとメモ。個人的にはオッサンが昔を懐かしむだけのようなもんなんだけど。大体1985年付近の話で、インターネットなんて単語も無く、ホント一部の人たちが電話回線使って音響カプラと言うので通信を行っていて、中学生ぐらいの自分にはそんなのには関係が無かった時代です。自分が言えるのは大体はベーマガMSXマガジンなどの狭い範囲でネットに関してはノータッチだったのでいえないのだけども


 そういえば、ちょまでぃー、いくつぐらいなんでしょ?ネットで見るお写真拝見するに一回り以上違うような気がする。

 
 今から書く自分の思い出はまさにこの↓の動画の気持ちとおりなんだけど。


 昔のPCは、今のようにWindows、Max、LinuxなどOSで統一されて自由にネットのサービスを使うような世界ではなくて、電気会社各社が思い思いにPCを作っていた。NECPC-6001,PC-8001PC-8801,PC-9801シリーズだったし、シャープはMZ,X1シリーズやX68000など、カシオはポケコンと呼ばれる関数電卓の進化したようなものなどを作っていて、大体は起動するとBASICが即使えるような、OSとBASICエディがた合体したような環境だった。


 各社ともハードもBASICなど規格もバラバラだったのでソフトもA社用のソフトはB社のPCには使えないという状況だった。なので、普及率の少ない機種を買ってしまった人は数少ないパソコンを持っている人の中でも孤立を味わうという、、何の罰ゲーやと。


 そんな中、アスキーマイクロソフトが標準化したMSXと言う規格を出したんですね。それでいろんな家電メーカーが参入してきた。自分はほんと偶然だったけど、今は無きエンドーチェーン(宮城県一帯に出店していた大型スーパー)の初売りでパソコンが安く出ていたので買ったというのがそのMSXだった。今思うとパソコンも知らなかったのに、何やら初売りで安いからって買った自分は何なんだろうと思うのだが、今思うとアレが自分のターニングポイントだったんだよね。


 当時ゲームが出来るのでは?なんて買った覚えあったけど、ゲームなんて大富豪でもない限り1年に1本買えればいいほうで、買ってすぐ絶望の淵にたたされた。友達からベーマガと言う本があってだな・・その本にいろんな機種のゲームプログラムが載っていてそれを打ち込めばいいんだよといわれ、ナケナシのお小遣いから350円をひねり出して買って、2時間ぐらいかかって打ち込んで実行してはエラーが出てというのを繰り返してやっと出来たー!・・・しかし面白くない・・・と言うそんなことを毎月繰り返していた。まぁそれで門前の小僧経を読むじゃないがプログラムを覚えてしまったって言うんだから。悪くはないし今の生活があるんだから。


 そんな状況だったんでプログラムと言うのは、移植性と言うのが大事だった。先のベーマガでも他機種のプログラムをどのようにして遊ぶかや、投稿プログラムの移植版といった単語が飛び交っていた。いかんせん各社のBASICの文法自体が全然とは言わないけど違っていたために、各社のBASICプログラムを見ながら自分の機種で遊ぶにはこう作るのかな?俺ならこう作ると考えたりしていた。

 
 その状況で何やら移植性に優れた夢のような言語があるという・・・それがC言語でだな・・と言う記事もあったね。そのC言語も移植性と言う面では文法と言う面だけで、Javaみたいにコンパイルした実行形式が他の機種で使えるかと言うのは別のことだった。今ではオブジェクト指向など、言語そのものよりもメタ的なレイヤで考えることが出来るようになっているので、移植性と言う面では設計さえ不味くなければ進化したのかな?


 プログラム作るときのロジックなんかは聞くところなんか無かったからひたすら考えていた。IFとFORとGOTOでデキル範囲なんか限られているのにね。家の近くの本屋に行って立ち読み何時間もしながら雑誌を目を皿のようにして読んでいたり、学校の先生にこういうときにどう考えればいいの?とか質問したり。プログラミングがある種、物理とか数学を考えるきっかけになっていたりした。(成績は超悪かったけどね)


 8ビットのBASICだから作るゲームなんてのも自分のキャラと敵を一つか二つ動かしたら遅くなるので大体はアイデア勝負のゲーム。そのうちもっと速く処理をしたいと機械語を覚えたいって欲求が出てくる。それで本を買って勉強するわけだけどアセンブラーも買えないからニーモニック表を見ながらハンドアセンブルとかして作って、それを実行してPCが暴走したりしてハンドアセンブルしたコードがどこ間違っているか再度ハンドアセンブルしたりね、、でもうまく動いたときはホント最高だった。誰にも見せられる友達いなかったけど・・・


 ちなみに情報の仕入先は地方の子供にとっては本屋と友達(パソコン持っている超少ない、しかもプログラミングに興味あるのなんて1人ぐらい)しかなかった。パソコンサンデー?なにそれうまいの?見てみたいな。仙台に行ってデンコードー行く?1年に一回行くか行かないかだが!そんな状況なので、雑誌の情報は超重要だったな。

 例えばアイコンとマウスかな。マウスなんか無かったので、雑誌で

 「マッキントッシュと言うパソコンがあって、マウスでアイコンをクリックするとゲームができる」

 「ええ?未来的だ!」

 「ファイルをゴミ箱に持っていくと削除できる」

 「すごい!」

 「ゴミ箱からさっきのファイルを取り出すとまた使える」

 「おおお!消したものが復活!魔法だ!」

 とか田舎の中学生は友達と未来を味わっていた。


 メモリが何KBって、、ちょっと違うが先のPCのような時代は作ったプログラムはテープに保存していたけど、百行程度のプログラムを保存するのに1分ぐらいかかっていた。それがフロッピーディスク付きのMSX2を購入して同じぐらいのプログラムを作って保存したときはほんと、一瞬でしかも色々なプログラムが沢山入る。まさに無限の空間を手に入れたような気さえした。


 WindowsMacなんかを見ていると昔の感じはもう無くて高度化して今から覚える人が大変だなんだけど、ひとつ80年代を思い起こすものがあるんだよね。IchigoJamなんかの組み込みとか電子工作界隈のパソコン。IchigoJamはまさに80年代の制約そのもので起動するとBASICが即使えて実行できる。


 昔と違うのは作ったプログラムをINとOUTを使って色々な機器と繋げて遊べたりする。現実の世界に繋げた機器で遊べるってこと。これってすごいことだよね。ソフトだけじゃなくハードにも遊びが生まれたわけだ。IOTとか色々言われるけど、その繋げる部品なんかも安い金額で買えるので子供に遊びを通じて覚えさせるにはいい時代だなと思いながら。と懐かしい日々を思い出しました。