- 作者: 岸見一郎,古賀史健
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今月何読もうかぁ・・と本屋をうろついているところで出会った本。前著、「嫌われる勇気」を読んだので、あぁ二冊目出したんだね・・って購入。
続編と言うことで、前作を復習するように哲人と青年の会話が進みます。前作では司書をしていた青年は、今作ではアドラー心理学を実践しようと教師になり、実践し、(苦悩し)そしてまた哲人の書斎の門をたたきます。今作も前作に負けず劣らずの熱い、罵詈雑言青年なわけですが・・・
今作ではアドラー心理学の実践編として、青年の就く教師と言う職業を通して、教育を中心に、生徒との接し方、接する自分(青年)の自立、そして幸せになる勇気を持つために愛することの実践へと移っていき、罵詈雑言青年は今作でもアドラー心理学を哲人の言葉と、青年自身の理解により深く理解し、読者となる自分にも理解させます。
まず、哲人と青年の対話により、教育とは何か?と提示されます。それはアドラー心理学の掲げる目標で、
1.自立すること 2.社会と調和して暮らせること 3.わたしには能力がある、という意識 4.人々はわたしの仲間である、という意識
これらを青年の悩みである教育と言うものに投影し、子供であっても他人との関係は無償の尊敬から始まる。怒りや叱責は尊敬を毀損する行為である。褒める行為も競争原理を生むのでいけない。他者を敵としたライフスタイルが確立する。また褒めるなどの賞罰は自立を妨げる。「その人がその人であることに価値を置くこと」が尊敬であり、尊敬と信頼は同義であるとし、その人が自立するのを見守るとします。
その中で、過去を否定し、未来においてどのようにすべきかを考える。また他者を信頼するにはその信頼を信じる自己への信頼も必要で、その自己への信頼には、自己肯定感そして愛することが必要である。それは自立であり、自立とは自己中心性からの脱却であるとします。
これらを「共同体感覚(他者の関心ごと)」という言葉を何度も引用しながら、過去ではなく未来にどうするか?青年がどうするか、他者との関係性の中でどう自立していかなければならないかについて説明していきます。それほど共同体感覚って概念は難しいのだろうなと感じました。
でも青年も罵詈雑言な割には哲人との会話は一定の丁寧さがあり、お互いに理解をしようとする所がありこの青年真面目なんだな!って思い面白いのですが。実は単に話をする人がいなくて哲人に話を聴いてほしかったのではないかと思ったり。
自分から始める尊敬が他者との関係性を始めるキックみたいですがこれ、尊敬とは母性的な相手への信頼から始まり、自立に到達したらお互いを認め合う父性的な関係になるって言うことじゃないかなと感じた。哲人は本書で言うように、罵詈雑言青年にも「尊敬」で相手を受け入れる行動でもって接し、青年の課題を抽出し、青年が自立へ向けてどうすればいいか一緒に考え、青年は自立への一歩を踏み出すわけですから。
自分にひるがえって、子供との関係はどうだろうかと言うと、アドラーの否定する褒章や承認の方法を使おうとしている自分に気が付きます。これは本書でも言っているように、賞罰は子供を支配下に置こうとする行為であり、自立を妨げる。それは「自立が怖い」と言うことでなんだか身につまされるような気がするのです。
「母は偉大だ」じゃないけど、自分ももう少し母性的な視点を持って子供と接するのから再度はじめるのがいいのかなと思った次第。
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