arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

「本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか」を読んで気分が静寂になる


 非常に面白かった。日本人が感じる仏教と言うとお寺で修業するお坊さんがいて、檀家は死んだらみな仏になる。そんな感じだと思うが(少なくとも自分は)初期の仏教とはどんなものだったんだろう。そんな疑問にお答えする本です。少なくとも仏教≒宗教≒あやしいものって直結する人は読んでみることをお勧めします。初期の仏教はそんな怪しいものだったのか、よく分かるように説明してくれます。


 仏教が成立する時代背景からその生い立ち、そしてブッダとなるシッダルダの生涯。シッダルダが作った仏教としての教団(サンガ)とはどんなものか、そしてその弟子たちの逸話。部派仏教から大乗仏教へでは著者の研究の一つがスリリング、ダイナミックに紹介されます。(ここ面白かった)また、文章一つ一つが平易な言葉で書いてありますので、固くならずに読む事ができます。


 自分は自己救済についての言葉が面白いと感じた。自己救済は利己だと解釈される事が多いですが、実は異なり、利己ではなく仏教では「自利」と言い、まず自分を確立すること。それが結果として回りまわって他人のためになる「利他」となると言う。この自利と利他の組み合わせが仏教だという。これは現代にも通じる考えではないだろうか。


参考になる本

信じない人のための〈宗教学〉入門―現代社会と宗教問題の本質 (サンガ新書 41)

信じない人のための〈宗教学〉入門―現代社会と宗教問題の本質 (サンガ新書 41)


これは自分の行動についてどういう状況か見つめなおす参考になります。


新装版 ブッダ 全14巻

新装版 ブッダ 全14巻

これは高校時代読んだ。面白かった。