管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう
- 作者: 倉貫義人
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2019/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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話題になっていたので。私はもう会社員じゃないため、こんなの読んでも部下もいなければ上司もいないしな、実践しようにないという気持ちも無きにしも非ずでしたが、いや読みたいものを読むのが読書というもんだ!といてもたってもいられなく購入。決済も自分で行うなど、管理されない働き方、自由すぎんぞと思ったけど。
はじめ、いろいろなサイトであった感想から、管理しなくて良い人を育てるのか、結局は組織行動学あたりの評価と従業員の行動の強化(意識づけ)をどうするか?って話だと仮定して読みました。
多分著者の言いたいことの一つは、はじめに、でこのように書いている。多分ここだろう。
p6
信頼関係さえしっかりと築くことができれば、管理などしなくてもだれもが管理したとき以上に責任感を持ってきちんと仕事に取り組むし、個々の主体性も増しました。指示されて働くよりも、自分ごとにして圧倒的に楽しく働いてくれるようになりました。そして、社員が自律的に楽しく働くだけで、お客様からの評判は高くなり、新規事業が勝手に生み出され、創業した私が想像した以上の成果を出すことになったのです
経営者、従業員ともお互いに信頼していれば管理なんかする必要なんてないのである。至極あたりまえというか、そのために両者は何をすれば良いのか?というのがこの本で語られている。両者のすべきことは、従業員は自律的に働くこと、それが管理が不要な人材の最低限な条件であり、経営者から見れば従業員が働くための場を用意する。ソニックガーデンの場合は一貫性、公平性、透明性を確保する。また、従業員が働く場としてリモートワークを提供したりであったりと。お互い信頼しあって同じベクトルを共有する。
よく経営者は365日働いても疲れない、それは管理されず自己決定権があるあらだと言われます。その通りで管理されずに自分の決定で仕事をできれば仕事は楽しいだろう。もう趣味に近い。だれも管理なんかされたくないのである。でも自己決定権を持って管理されずに働くってどんなことだろう。
それが著書では「セルフマネジメント」ができるということで表現しています。本書ではセルフマネジメントのレベルを3段階に分けていますが、最終的には
- 仕事では価値を生み出す
- 組織としては周囲を生かす
- 自分自身の将来を考える
という状態に各個人がなれば管理などする必要はないと言います。まるで社内の人材全員が個人事業主みたいなもんですね。そのセルフマネジメントを行えるように個人ができることは1章に具体的にソニックガーデンで行われていることが書いてあります。KPTで振り返りであったり、仕事の小口化であったりと。それらは一つの目的「生産性」のためにあります。この生産性がまず基本なわけですね。生産性なくして管理なしな自由などあり得ないわけですね。
しかしそれらも仕事の進め方などの本を読めば書いてあるだれにでも出来る一般的なことです。別にソニックガーデンが秘伝のタレ的に秘密なものでもありません。でもその当たり前のことを当たり前に続けるってのが難しいのだろうね。そして個人が当たり前になるようにそれらができる環境を会社として用意するのも世の中で色々と答えはありながら実践するのが難しいってことだろう。
あたりまえだが管理しないが目的ではなくて、この会社が試行錯誤の中でやってきた成果が、管理しないだったってことだろう。会社は規模や中の人など多種多様なものがあり当たり前だが管理をしないだけが正解ではない。その会社でみな幸せに仕事をできるよう、どんな方法がよいか絶えず改善して実行していくってことだろうなと。