熊本県 #人吉市 では、地元のサッカークラブ「ロアッソ熊本ジュニアユース人吉」の中学生たちがボランティアとして、商店の片付け作業を手伝っていました。(諫) pic.twitter.com/wArAWajO4p
— 朝日新聞 映像報道部 (@asahi_photo) 2020年7月5日
子供が今回の水害でボランティアで後片付けか、、以前だったらほっこりニュースなんだけど、Twitterが騒がしい。どうやら破傷風の危険があるにも関わらず子供にさせるべきではない、というもの。その中で「震える舌」という言及がちらほら・・・なんだろ?震える舌?
「昔は泥の中で遊んで怪我とか普通だった」というおっかない投稿があるけど。
— ǝunsʇo ıɯnɟɐsɐɯ (@otsune) 2020年7月6日
そういえば最近は金曜ロードショーとかで映画「震える舌」を放送しなくなったからか。
小学生のころあの映画の影響でみんなうかつな泥遊びを避けるようになったぐらい最強の映画だった。
https://twitter.com/search?q=%E9%9C%87%E3%81%88%E3%82%8B%E8%88%8C&src=typed_query
こんな感じ。自分はこの映画は知らなかったのですが興味が出てきて鑑賞してみました。
2週間以上も休んでいるとみられるお父さんの同僚、ほんと優しいなぁ、、蟹江敬三さん、若いなぁ、、主人公のお母さんが孫に見せる優しさとかね、あぁ、あなた、、10年後に「メイちゃ〜ん!」って叫ぶよ!とか。もっと言うと、主人公の渡瀬恒彦さん、李元昊しか思い浮かばねぇ!そう言えば最近十朱幸代さん最近見ないなぁ・・・色々ショーワを感じながら見てた。
いや、劇中、そんじょそこらのホラーよりも怖いですよ。破傷風そのものの描写とそれと戦うお医者さん、もうね、映画なので誇張表現はあれど、見ていて辛くなりました。
中野良子さんが控えめな演技で素晴らしい怖さを見せてくれます。笑顔でね、感情がないの。これは対応されたら怖い。ただその無感情と言うのはジョジョのフィアンセであるエリナがスピードワゴンに見せたあれと同じだと思うとまたそれは凄いと思うのです。
https://twitter.com/search?q=%E9%9C%87%E3%81%88%E3%82%8B%E8%88%8C&src=typed_query
映画は医療ドラマというよりも、オカルト・ホラー的趣向で製作された[1][2]。予告編での惹句も、「新しい恐怖映画」と銘打たれている。
破傷風に侵されてしまう少女・昌子を演じる若命真裕子の迫真の演技が話題となった
自分がホラーより怖いと感じたように、Wikipediaやら色々なサイトで指摘されている通り恐怖映画の趣で制作されたとのこと。あのね、表現がね、血がでるシーンは生々しく、楳図かずお的な恐ろしさなの。
劇中で描かれるが、破傷風は舌を噛んで出血したり痙攣が起きると背骨が折れるぐらいのこわばりになると言う。実際劇中でも舌を噛むシーンがありこれがホラー顔負けで怖かったのである。また、病原体の毒素の作用する範囲は筋肉にとどまり、患者は意識混濁することなく、絶命に至るまで症状に苦しめられる。
致死率は50%、劇中では発病五日以内では全例死亡、もうこの時点で物語の昌子の運命はほぼ決まってしまったのである。劇中ではそんなに見えなかったが昌子は10日以上も意識が混濁することなく苦しめられていたということ。
恐ろしい!
正直ね、こんな恐ろしい病気にかかる可能性がある、と言うのがわからずに子供に作業を命じるってのはほんと責任重大だよねと。多分だけど、破傷風なんて普段は聞かないような病気で知らなかったって可能性もあったんだろうけど。逆に清浄になった上で知識がなくなるってのも怖いよね。
世界は危険と隣り合わせであるが、医療の充実がそれを覆い隠していると言う感じなのだろうか。初めの熊本のボランティアでは中学生とあり、破傷風を含む2種混合ワクチンは打っていると思われるので、もしかしたら大丈夫だったのかもしれない。
いやそれ言ったら風疹ワクチンの期限がきれた、摂取していない世代のオッサンがそこらじゅう仕事でアクセク歩いているわけだからそっちも怖いよ!とか10万個の子宮で指摘されたようにワクチンが積極的に摂取されないおかげで将来の女性の死亡率が上がるとか色々ってなるんだけれども。
しかしよくよく見ているとその中に色々と今に通じるものが見えてくる。劇中破傷風にかかってしまった昌子の両親は病院に寝泊まりするのだけれど、当然ながら2人とも休むことのできずに自滅していくのね。
最後には昌子に噛まれた後や接触から自分も破傷風ではないか?と疑問に思い、死ぬことまでも覚悟する。疲れによる、怒り、疑惑、鬱、恐怖、こだわり、嫉妬、、、悪い兆候のオンパレードだなぁと。
この作品が発表された1980年と言うのは、以前自分が読んだ「日本史リブレット 江戸時代の老いと看取り」と言う本でも指摘されていたように、日本が国連の定義する高齢化社会に突入しているけど社会全体がそれを表立って認識していない時期で介護に対して未分化な時期。
この時期の日本の家庭像なら父親は仕事に行き、お母さんが病院に寝泊まりして疲労がたまっていく。一人に負担がかかっていくという構図なんだろうけど劇中では2人とも寝泊まりしていた。劇中で語られるのは1ヶ月。現実では1ヶ月も2人とも仕事ほったらかして看病できるわけないだろうが!!
あぁ、これはダメなパターンや、、父親の介護で自分もいくつか経験したが介護は家族の消耗戦。最後にお父さんに言わせるんだけど、一人が看ている時は一人は休むと言うことを提案する。80年代にこれが言えた家庭というのはどれぐらいあったのだろう。
しかし一番怖いなと感じたのはね、劇中初めの方で破傷風と診断されるまで。映画は破傷風の話だから昌子が破傷風と診断されるのだろう、、大変致死率も高い病気と聞いているから時間との勝負だしすぐ判断されるのだろうなと、、
と思うのだが、3日とも医者に行っても診断されず、1度目の痙攣で舌を噛み病院に搬送される。大きい病院でも心因性と判断、最後の最後に破傷風とわかる。もうね、、こんなにすり抜けるもんなの?って思うわけよ。
さて、ツラツラ書いてみたけど、現代では忘れさられそうになっている破傷風、その怖さを知るためにもこの映画は見ておいた方がいいね。不幸中の幸いというか、他人のなにげなくやらかした失敗によって有効な知識を得た感じがした。
昌子の最後はどうなったのでしょう。致死率の高さを誇る破傷風、昌子は死んでバッドエンドなのだろうか?実は治ってハッピーエンドなのだろうか?2人の絶望の表情は忘れられない。