こちらの続きではありません。
アタリメ爺さんは続けた
あのな、、TV中継されている試合中のイカ、インクでキルされるじゃろ?あれ、どうなると思う?
寂しい廃線の駅を通りかかったときにその爺さんと会った。そこで今日のスプラの試合が楽しみな事を話したのだ。
え?キルされたらリスポーン地点に戻るんじゃ?
違うんじゃよ、死ぬんじゃよ・・・
えーーーキルされたら死ぬのあたり前じゃん!やだなーーそしてリスポーン地点に戻るんだよ爺さん!
ワシが若い頃働いていた場所が試合を管理する場所でな、試合には8人出る。8人は試合開始前に会場近くの部屋に移動させられるんじゃ。
え?会場にいくんじゃないの?
そしてな、試合自体はモニター越しに行うんじゃよ。VR機器を体につけて。
試合が開始されるとな、イカがそこに転送されるんじゃ。試合をする人たちと同じ格好をしたイカが。そして試合が始まるとな、試合会場のイカはさっきの部屋にいるイカが操る。
ワシらイカは以心伝心と言うか、、、テレパシーみたいなもんがあるじゃろ。ほら、、フレンドが遊び始めるとなぜかピーンっとくるじゃろ?頭の左上?あたりにフレンドが来た!って感じるのじゃ。あの仕組みを使っているらしい。
部屋で操作したのが電波を使って会場のイカを操るのじゃ。
え?それじゃあの会場にいるイカは?聞いているイカは青くなり始めた。
あのイカたちはな、卵からかえったイカたちじゃ。まぁ我らイカは1回の産卵で卵は2000個ほど産む。多少なくなったって誰もわかりはしない。そう言うイカたちが暗室で育てられ、試合の時に転送される。転送されてキルされるまでの数分、短い奴じゃリスポーン地点でキルされる・・・が彼らが見る世界じゃ。と言っても体の自由は効かぬが・・・
自動で体が動く、武器を操る。出たインクで目の前のイカが死んでいく。多分自分の境遇から同じイカだと感じるだろう。自分がやっている事なのか?そして自分も相手のイカに攻撃される。キルされる瞬間まで、、数分間の恐怖を味わう。
さっき我らイカにはテレパシーがあるって言ったじゃろ?そりゃもう会場は5分間、恐怖と怒り、悲しみの負の感情でいっぱいになる。頭にガンガン回ってくるのじゃよ。ワシらは始めは眠れぬ日々が続くのじゃが、、だんだんと、、慣れる。
もともとこのゲームは金持ち貴族たちの遊びじゃ。彼らはイカたちを消費し、そして楽しむ。みている連中も楽しいだろう。エンタメという奴じゃよ。もっと楽しみたいがために試合をTVで見せるようになった。
おっと、、誰かが来たようだ、、そう言い、アタリメ爺さんは杖でヨタヨタと去っていった・・・
今日聞いた事は本当の事だろうか、、、イカたちは顔を見合わせた。いやいや、、爺さんの世迷いごとだろう。あんなヨボヨボの爺さんが試合に関わっているはずはない。今日は月イチのリグマの日だ。観戦のためフライドチキンをたくさん買って帰るところであった。人が楽しんでるのを妬んでるのさ。