- 作者: 中島弘象
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/02/16
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (5件) を見る
前々から本屋で気になっていたのですが・・・買ってみました。
たまたま大学のゼミでフィリピンに触れ、そこからフィリピンを研究する名目でフィリピンパブに行って、そこで出会ったミカと言う女性と付き合ってしまった顛末です。本書は社会学と言う題名が付いていますが数字や論文への引用などは一切出てこないです。どちらかと言うと、著者の体験記でしょうか。読んでみた感じたのは
だれかミカの萌え絵カマン!
あとがきでもあるように、ピースボートで出会った編集者から本を書いてみないか?と言われ、
p235
「参考文献から引用?そんなものより、君が体験した事実を書け!」
「それはいつのことだ。もっと詳しく、あったままに」
「もういちど警察署に聞いてこいよ!」
と社会学の修士論文チックな無味乾燥な文章から著者の体験記にシフトしていったみたいです。内容も、初めヤクザ(暴力団)からピンハネされるかわいそうなフィリピン人女性たちと言う感覚から、どっぷりと浸かる行程で付き合っているミカからその勘違いを気づかされていく、そしてヤクザ(暴力団)との対決、結婚やヤクザ側の事情、エンディングに向かってと言う話はもう小説そのものだよ。面白い。その中でエッセンスとしてフィリピンの事情、お金が無い、であったり、フィリピンパブで働く女性たちの事情、不法就労であったりと言うのが垣間見ることができる。
著者について検索したらこちらにその後の顛末が書いてありますね・・・興味深いです。
フィリピンパブ嬢のヒモだった僕が結婚し「送金地獄」にハマるまで
暴力団との間に契約もなく、誰からも自由を制限されることもない。好きな時に好きな場所に行ける。もう昔のように暴力団の影に怯える必要もなければ、ノルマ、ペナルティに追われて大変な思いもすることはない。ようやく平穏な日々がくると思っていた。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51531