arcanum_jp’s blog

おっさんの日記

なんとなく好きになるのが大事「なぜ、それを好きになるのか?脳をその気にさせる錯覚の心理学 」

 読みやすくて明るい文体、明るいと言うのは語りかけるようだからか?著者の体験がにじみ出る(書かれてる)からか?なんか学研のコラムを読むような感じ。と思ってちょっと名前でググったら結構そういう系の書いている方なんですね。以下書き散らし。


 本書は、「処理の流暢性の誤帰属」と言う錯覚の感覚を中核に話が進みます。え?処理のなに?ってなるが、要は、「自分で良くできる事はなんとなく好きになる」本書の言葉で言うと「流暢に出来ることはなんとなく好きになる。繰り返しする事は流暢になるのでなんとなく好きになる」と言うことみたい。「えーー物事って好きこそモノの上手なれ」って言うとおり、好きだからするんでしょ?


 処理の流暢性が、自分にとって良くできる事。誤帰属と言うのは、心理学で後から理由付けする事らしい。これ、僕ら普通の人は、「これが好きだからこのxxをするの」と、意思があり、行動が起きると考えているけど、この理論だと、だんだんよくできるようになると、だんだん好きになるということらしい。


 後付けと言えば、前に茂木健一郎さんの本かなんかで脳の反応を見ていると例えば体が痒くてかくという行為も、掻きたいという意思があって行動を起こすのではなく、初めに掻いてしまってから後追いで脳内の意思にあたる部分が発火する(意思がわき起こる)という話を思い出した。体は人間が思っている以上にオートマチックで後追いで意思がくる。


 自分の場合、本を読む際にはじめから読みやすい本とそうでない本がある。この文体好きだなとか思うのもこの本で言う「処理の流暢性の誤帰属」なのかなと。読みやすい本は読むという処理が流暢にできるので、何となく好きになる(誤帰属)というもの。


 じゃぁ、そのなんとなく好きになるにはどうすればいいか・・・そのために色々サブリミナル効果や、プライミング効果、人類共通の色の好みなど色々な研究の結果などを示しながら説明され、それらをどのように使えばよいかと言ったのを説明してくれます。いや、それらより著者の昔話の方が面白かったと言うのは内緒ですが。


 読んでいてふと思ったのが、本書の中での関連ニューロンの話、例えばスターウォーズが好きな人はスターウォーズに反応するとか、ジェニファーアニストン好きならジェニファーに反応するようになる部位が出来上がってくるそうだ。ただし、単にスターウォーズだけに反応するのではなく、関連するのに反応するそうだ。ジェニファーなら金髪とか。なるほどねーー関連するものが全て反応対象になってくるんだろうなぁ・・・そこで思ったのが、これって、行動分析学でいう派生の原理のことにも繋がるんではないかと思ったこと。


 例えば嫌子のマネジメントがやっちゃいけないと言われる理由に、嫌子で弱化した行動はそれのみならずその場所やその状況に派生したすべての行動に影響するというものがある。簡単に言うと、ラクガキを叱るとラクガキをするという行動はなくなる。但し、ラクガキから派生して絵を描くという行為そのものも無くなる可能性がある。その他関連して他の行動もなくなる可能性がある。本書ではフロイトの意識下の話が出てきたりしますが、心理学っていろんな切り口で同じような事を言うんだようなと・・・思ったところ。
 

 はじめハウツー本みたいだなぁ・・・買って失敗だったかな・・っと思いながら読んだけど結構面白く読むことができました。これは本書で言う認知的不協和を読む行為でだんだん解消した(好きになった)と言う事を表すのかな・・・特に色々怪しいと言われるサブリミナル効果あたりが面白かったな。