- 作者: 飯田泰之,木下斉,川崎一泰,入山章栄,林直樹,熊谷俊人
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/04/19
- メディア: 新書
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子供と本屋に行ったときに、子供はもう帰ろうよ・・・と困り顔で手を引っ張るときに目に付いたので買った。特に地方再生とか、行政に何か期待しているわけではない。
地方に生活する一個人として、「地域って、なんか遅いよねぇ・・行政もだし・・・」と漠然とした感覚しかないが、著者や本書で対談する方々の研究などから、地域再生って成功したためしがないよね・・・でもなんで失敗する策を続けるんだろうという事を紹介し、地域再生にとって重要なのは・・・と言うことを書いています。
自分がいままで地域で何かしらの事業をやっていたわけではないので正直なんだか読んでみた感想としては、サラリーマン的な目からみたとしても「至極当たり前の感覚」が書かれているなと感じた。補助金でしか生きられないような事業に金を使うのではなく、地域でなにかを成したいと思っている人が活性化の活動をする。行政は金を出すのではなく、規制緩和、行政施設の利用緩和、など環境の整備を行い、地域のプレイヤーが活動しやすいようにする。
行政の視点としては、競争意識とコスト感覚を持つ、入ってくるお金と出て行くお金の評価をプロジェクト単位で行う。といったところでしょうか。本書によると最近流行のゆるキャラなんかも駄目で、実はくまもんですら成功事例ですらないとのことで、投資回収の概念が明確に設定されないまま「認知向上」といったあいまいな評価でやり、イベント自体が赤字だったとしても話題になったり市民が楽しかったといえば成功となってしまう。本当はその後の地域内の売り上げの向上であり、住民の所得が向上することなんでしょうけども。
地域のプレイヤーとしては自分の商売として補助金の依存度を下げ、多様性、開放性、そして商売として低売上高利益の体質を作っていくことでしょうか。これって民間では当たり前の感覚ですよね。同情するなら金おくれ!ではなく同情するなら仕事させろ!でしょうか。
しかし自分が生まれた年からでも40年以上、この本によると行政の公共投資って失敗してるよねーーといいつつなんで40年もこんな失敗をほったらかしにしてんですかね!と怒りこそこみ上げてこないが、遠い目をしてしまった。
そのほか、グローバル化した世界での視点であったり、限界集落での調査からの地域再生(再生と言うより、終末へのソフトランディング)であったり、地域再生てのは結局のところナショナルミニマムからの脱却、施策としての割りきり、あとこれから日本に起きる(既に起きている)人口減は悪ではないに立った実践なんだろうね
最後の千葉市長との対談は面白かった、第一章から暗い話題を中心に失敗と、こうあるべきが語られてきたけど、希望のあるような対談だった。自分の地域の特色、良いところを知っており、活用して活性化していこうとしている。プレイヤー、行政がまだまっとうであれば、地域、地方なんてのもまだまだ捨てたもんじゃないんだろう・・・自分にはあんまり地域再生なんて縁がないけど、、、